04|Lovely lovey





『 Lovely lovey 』





 僕の綱吉君は小さい。
 外見も内面も、かなり小さい。
 しかしそれがいい。
 腕の中にすっぽり納まってしまう。
 なんてかわいい生き物なのだろう。


「……全部、声に出てるぞ」
「おや」
「ていうかいい加減離せよ!」
 すっぽりサイズの綱吉君は、腕の中で精一杯暴れてみせた。
「あぁ、かわいらしい」
 がっちりぎゅっと抱きしめて、その首筋に顔を埋める。
 安っぽい石鹸と、汗の匂い。
「心配なさらずとも、まだまだ伸びますよ」
「え、そうかな」
「まぁ、僕の身長を抜くことは一生かかっても無理でしょうけど」
「腹立つ!」
 クフフ、と笑ったと息が肌にかかる。
 びくりと、やはりかわいらしい反応。
「っ離せ、よ」
「もう少し」
 苦しまないように、けれど独占欲が伝わるように、腕に力を込める。
 長くはない逢瀬が終わり、長い長い眠りが訪れる。
 せめて感触だけでも記憶に留めて。
 短くとも幸せな夢がみられるように。
「なぁ、骸」
「はい?」
 彼が振り向けるように、少し力を緩めた瞬間――不意に、唇に柔らかいものが押し付けられた。
「……え?」
 目の前には真っ赤に染まった顔。
 珍しくも理解に時間がかかった。
「え、えぇぇ?」
 想いが伝染したように、こちらまで顔が熱くなってしまう。
 なんて不覚。
 顔を隠すようにうつむくと、額が彼の肩に乗った。
 徐々に消えていく感覚。
 もう逢瀬の終わりが近いだなんて。
「……ずるい人ですね」
 少し前まで、こんな感情があったことさえ知らなかったのに。
 眩暈と浮遊感が終わりを告げる。
 名残惜しいけれど。
「おやすみなさい、綱吉君」
 最後に優しく抱きしめて。
「……おやすみ、骸」
 ―――意識が、堕ちる。


 僕の綱吉君は小さい。
 けれど、その存在はとても大きく。
 温かく。
 そして、愛おしい君。