23 | Light Lies





『 Light Lies 』





 手を当てて隠したのは、
 口許でなく本当の言葉。



「骸」
「何ですか?」
「骸って本名?」
「似合いませんか?」


 嘘をつく。
 笑って誤魔化す。
 ひらりかわされる。
 本音は見えない。


「まだ、乗っ取ろうとか考えてる?」
「できればボンゴレはいただきたいものですね」
「組織を? 俺を?」
「貴方のいる組織を」
「どっちが目的なんだよ」
「じゃあ、綱吉くんで」


 嘘か本当か。
 教えてもくれない。
 知りたくても。
 嘘しか教えてくれない。


「骸さ、楽しい?」
「そうですね」
「嘘つき」
「そうですね」


 嘘なんて誰でも言える。
 それは本当。
 でも彼の嘘は自然すぎて。
 まるで、願い事を口にするよう。


「俺、骸のこと、好きだよ」
「僕も綱吉くんを愛していますよ」



 彼が嘘をつき慣れているのなら。
 それでもいいと思う。
 隠し事が多くても。
 ひねくれ者の天邪鬼でも。

 彼が俺を愛しているということ。

 これだけは、
 信じて損はないはずだから。






× × ×

嘘か本当か。
その内わかるようになると思います。
超直感とかじゃなく、受け入れることで。