02 | 充電器。



『 充電器。 』






 あいつはよくしゃべる。
 どうでもいいことからどうでもいいことまで。
「――それから、俺が――」
 とにかくよくしゃべる。


 二人きりでいるときもよくしゃべる。
 一体どこで充電してんだか。
「――んでさぁ、――」
 それにしてもよく回る舌だ。
 そんなに話して渇かないんだろうか。
 思いながら、ジュースを口に含む。
 そして、


 息継ぎの合間を狙って流し込んだ。
 顎に伝い落ちるのを舐め取りながら、
「たまには静かにしてろ」
 今度は普通のキスで封じる。


 あいつはよくしゃべる。
 ベッドの中でも関係なしによくしゃべる。


「獄寺、もっと」
「黙れ」
 代わりにペットボトルを放る。
「間接キスだな」
「黙っ――」
 ぐいと引かれて、


 もしかして充電してるのは、
 ――俺か?