『 my usual 』
別に何の変哲もない。
アイツはテレビを見ていて。
俺は本を読んでいて。
ただ一緒にいるだけの。
何の変化もない日。
ふと、
アイツが言った。
「俺、やっぱ獄寺のこと好きだなぁ」
まるで映画の感想のように。
自然な言葉だったから。
俺は少しだけ視線を上げて。
「そうかよ」
また本に視線を落とした。
何の変化もない。
何の変哲もなかったから。
不覚にも。
不意打ちの言葉ってのは。
あとからクるんだと。
「〜〜〜〜〜〜」
初めて、知った。