07 | my usual





『 my usual 』





 別に何の変哲もない。

 アイツはテレビを見ていて。
 俺は本を読んでいて。
 ただ一緒にいるだけの。

 何の変化もない日。


 ふと、
 アイツが言った。
「俺、やっぱ獄寺のこと好きだなぁ」
 まるで映画の感想のように。
 自然な言葉だったから。
 俺は少しだけ視線を上げて。
「そうかよ」
 また本に視線を落とした。


 何の変化もない。

 何の変哲もなかったから。


 不覚にも。
 不意打ちの言葉ってのは。

 あとからクるんだと。


「〜〜〜〜〜〜」


 初めて、知った。