ただの転校生。
最初はそんな感じ。
「獄寺って休みの日とか何してんの?」
「別に何もしねぇよ。つか近寄んな!」
友達の友達。
いつの間にか一緒にいるようになった。
「獄寺ってツナと仲いいのな?」
「当たり前だ。つか邪魔だお前!」
ランク上がって友達。
ちょっとは信頼されてるのだろうか。
「獄寺って将来何になるんだ?」
「もちろん十代目の右腕だ!」
やっと隣に立てたけれど。
どうしても間にひとり、挟んだ関係で。
「獄寺っていつも何見てんの?」
「テレビの話か?」
「や、そうじゃなくて……」
その瞳に映っているのは。
その視界を占めているのは。
「つかお前、聞いてばっかじゃねぇか」
「そうかな」
「そうだろ」
「うーん、だって」
小さな意識のカケラ。
「もっと、知りたいから」
ドキドキするこの気持ち。
ドキドキさせる君の気持ち。