CAUTION!!!
この『 君へ向かう気持ち 』は 18禁小説 となっております。
山本のセリフがこれでもかというほどエロスを演出しています。
ので、ここから先は
・実年齢・精神年齢が18歳未満
・男性同士の性的表現が苦手ていうか嫌い
・現実と非現実の違いがわからない
以上に当てはまる方は閲覧を遠慮してください。
18歳以上だしやおい大好き!という方は
このまま下にスクロールしてお進みくださいませ。
一応合意ではありますが
山本が無理やり襲ってると感じさせる表現もあるので
あ、それは無理だと思った方は
ここで引き返してください。
最終的にラブラブならオッケーという方は
もう少し下へスクローーーリング。
好きという感情の不理解。
ずっと昔に、気づいてしまった。
自覚すれば最後、自滅するだけのもの。
弱さなんていらない。
だから誰も好きになんてならない。
だから、
心に芽生えたのは違う感情だと決めつける。
好きだと言われても。
強引に押し倒されても。
決して、自覚してはいけない。
窓の外から人の声がする。
部活も終わって、帰宅する音だ。
イスが倒れた音も、カバンの中身が散らばった音も、すでに空気に溶けて消えた。
視界には薄暗い天井。
夕日色に照らされた、苦しそうな顔。
「……どけよ」
「いやだ」
両肩を押さえられて、足の上に座られて、身動きが取れない。
絶対的な力の差。
知らず、眉間にしわが寄る。
「テメェは、好きなヤツを、下敷きにする趣味でもあんのか」
「獄寺があんなこと言うから」
数分前に発した言葉。
発する前から心に住み着いていた言葉。
――好きという感情が、理解できない。
「あんなこと、言うなよ」
「じゃあ何て言えばいい。人を好きになれないとか?」
「ツナはどうなんだよ」
「尊敬と好きは違うだろ」
「けど、でも、」
「教えてやるよ。好きなんて感情、結局は弱さになるんだよ」
肩に指が食い込んで、痛みを訴える。
力の加減を知らないのか、この馬鹿。
だから嫌いなんだ。
なんで、そんなに苦しそうなんだよ。
苦しまなきゃいけないのは、俺の方だろ。
早く離れてくれ。
これ以上一緒にいたら、きっと、ダメになる。
「先に謝っとく。ごめん」
「なん――」
発声と呼吸の術を失う。
いや、息は鼻でもできるけれど、それでも一瞬だけ呼吸の仕方を忘れた。
口内に侵入する、濡れた舌先。
「や、めっ」
顔を振って逃れても、すぐに捕らわれて絡ませられる。
嫌だ。
どうしてこんなことをされるんだ。
唇が首筋を這って、シャツのボタンが外される。
ぞわぞわと嫌な感覚が走る。
気持ち悪い。
鼻が痛んで、泣きそうなんだと知る。
「やめろ、たのむ、やめてくれ」
喉が震えて、声が掠れた。
上げられた顔はやっぱり苦しそうで。
「……ごめん」
「それしか、言えないのかよ」
重たい腕を持ち上げて、顔を隠す。
「もっと、他に、あるだろ」
高い壁を作って。
深い溝を作って。
誰も好きにならないと誓ったんだ。
「なんでそんなに、優しく、触れてくんだよ」
崩壊する。
瓦解する。
「気持ち悪ぃんだよ」
弱さなんていらない。
無理やり腕を外されて、床に押さえつけられて、耳元で囁かれる。
「だって、獄寺が、好きだから」
「やめろ!」
視界の端で涙が散る。
「お前なんか嫌いだ! 果てろ! 消えちまえ!」
「……俺には何が獄寺にそうさせるのか、そう言わせるのかわかんないけど」
その涙さえも吸い取って。
「別に、好きになっても弱くはならないと、思う」
「何も知らねぇからっ」
「知らないけど、俺は、獄寺のためなら強くなる。強くなれる」
本当は知っていた。そんなことぐらいわかっていた。
弱くなるだけじゃないこと。
「好きになれないとか、言うなよ」
苦く笑う。
「それってすごく、さみしいだろ?」
「だって、だって……」
好きになれば失う恐怖を知る。
裏切られれば痛みを知る。
心が傷つけられて痛んで、痛んで悲しくなる。
もう二度と、感じたくないのに。
「怖い――」
不意に優しく、抱きしめられた。
「なぁ、獄寺は俺のこと、嫌い?」
「っき、」
言葉がつまる。
涙のせいじゃない。
「嫌い、だ」
「本当に?」
抱きしめられているから、互いの顔が見えない。
見えないからなのか、鼓動が伝わってくるのがわかった。
どちらも速く、強く、響き合う。
心地よい感覚。
「……嫌いだ、お前なんか、大嫌いだ」
「そっか……」
自覚。
「なんで、気づかせんだよ」
「え?」
「すげぇ、毎日、どんどん、膨らんで、気持ち悪ぃ」
手を伸ばしてシャツを握り締める。
感じていたのは居心地の悪さ。
心を暖めて、氷を溶かして、隙間を埋める言葉たち。
「好きだ、お前が、好きなんだ」
あまりの恐怖に身がすくむほどに。
大きな存在になっていた。
もし失えば二度と、きっと生きていけないと、わかるほどの。
「好きなんだ……」
なんて弱い。
こんな自分を認めたくなくて、目を逸らしてきたのに。
肩に頭を預けて、抱きしめる腕に全部預けて。
「だから、嫌いなんだよ……」
どんなに目を逸らしても真っ直ぐにぶつけてくる感情が。
何度跳ねのけても返ってくる気持ちが。
「……獄寺は十分強いと思う」
「どこが」
「弱い部分を知ってるから、強くなろうとしてる」
「なろうとしてるだけで、強くない」
「強いさ」
すべて受け止めようとしてくれる、そんな存在が。
惹かれるのは必然で。
それが嫌で、嫌なぐらい好きで、好きになるほど嫌になる。
あぁ、もう――
「山本」
「ん?」
「一生離すなよ」
耳元で笑い声。
「わかった」
単純な約束と短い言葉。
それだけでいい。
それが一番大事なことだから。
いつの間にか人の声も消えて。
教室の薄暗さに気づく。
「いい加減離せ馬鹿」
認めたくないが、山本が自主的に離れてくれない限り起き上がることもできない。
しかし、山本はわずかに視線をそらして、
「んー、その前に、あのさ」
言いよどんだ。
「なんだよ」
「その、続き、してもいい?」
「続き?」
「もっと直球に言うと、セックス」
「セッ……!?」
どこをどう続けたらそうなるんだよ!?
いや、確かにキスされてシャツのボタン外されて、その先って言ったら……
「い、嫌だ!」
「でももう治まんないというか」
手を取られて導かれた先には、
「な、なんで、そうなってんだよ!?」
「思春期だから?」
「果てろ!」
それに男同士でどうやってやるっていうんだ。
マスターベーションみたいに、互いに手でやるのか?
ていうか、こんな、いつ誰が来るかもわからない場所でやれるわけがない。
せめてベッドだろ。
固くて冷たい床の上で、なんて。
「大丈夫。ゆっくり、するから」
シャツをたくし上げるように手が入り込んできて、胸を触られる。
「ひっ」
背筋を走り抜ける感覚。
ぞわぞわと。
「や、やめ、」
「ごめんムリ」
首筋を舐められ、胸の先を押しつぶされ、たまにつままれて。
その度に抑えきれない声が口端からこぼれた。
「あ、やっ、んっ」
「エロい声」
「おま、こ、殺す!」
「ここ?」
「ひあぁっ」
耳たぶの近く、動脈の上辺り、そこを甘噛みされただけなのに。
なんで、どっからこんな声、出てんだよ。
「獄寺の髪、甘い匂いする」
逃げるように首を振ると、うなじにキスの気配。
「甘くて、食べたくなる」
「誰が、大人しく食われてたまるか!」
渾身の頭突きは簡単にかわされてしまった。
それでも、一瞬の隙ができれば。
腕に、足に、力を込めて跳ねるように起き上がる――
「逃げんなよ」
途中で腕を捕まえられ、ひねり上げられ、今度はうつ伏せに拘束されてしまった。
うなじに温かい感触。
「――っ」
舐められた。
違う。咬みつかれてる。
チクリと針で刺されたような鋭い痛み。
「……やっぱ肌が白いとキレイに浮くもんなのな」
「て、めぇ!」
今の感じと言葉、絶対キスマークつけやがったこいつ。
仰向けになろうと腕に力を入れた瞬間、下半身を這い回る感触。
「てめ、どこ触って!?」
「まだキスだけでイかせるテクニックは持ってないから」
「やだ、や、やめっ」
自分でするのとは全然違う。
全身を駆け抜ける快楽が半端ない。
「んん、まっ、やめろ!」
「ここでやめるとか、ナシじゃね?」
「は、あっ」
腕から力が抜けて、床に額を押し当てる。
水音。
断続的に、聴覚を刺激する。
「ふぁ、ん、やっ」
背中を這いながら、痕を残していく唇の感触と、緩く握るように扱きあげる手の感触。
このままじゃ、ヤバい。
下腹部に熱がたまっていく。
「も、無理、いっ」
「うん。俺も」
強引に腕を引かれて、再び仰向けに押さえつけられた。
ずれたスラックスごと下着を膝まで引き下ろされる。
「な、何す」
「言ったじゃん、セックスって」
「なんで、ズボン、脱が」
「獄寺、男同士のセックス知らないの?」
スラックスが絡まって動かせない足を抱え上げ、山本は思いもよらない所に触れた。
「ひっ」
「ここ使ってするんだぜ?」
「う、嘘だろ」
「マジ」
「や、やだ! やめろ! 離せぇ!!」
「暴れないのなー」
「いっ、いたぁっ」
侵入物。
たぶん指だろうが、吐きそうなほどの圧迫感。
気持ち悪さに涙が出た。
情けなさすぎる。
「ほぐしたら、気持ちよくなるから」
「ひ、う、うぅ」
顔を隠そうとした腕を遮って、目元にキスが降り注ぐ。
頬に残る涙の筋を舐め取られる。
その間も、山本の指は別の生き物のように中をかき回した。
「ほら、もう二本入った」
聞いたことのない粘着質な音を響かせて。
「やだ、やだぁ」
「こことか、どう?」
「ぃああぁっ!?」
電撃が。
飛ぶような。
こんな快楽、知らない。
「アタリだ」
山本はいやらしく舌舐めずりしてみせた。
むかつく顔。
殴ろうにも力が入らない。
次にキスしてきたら噛んでやる。
「じゃあ、そろそろ本番な」
「ほん、ばん?」
ベルトをはずす金属音。
これ以上、何をするって言うんだよ。
もう十分だろ。
「コレ、入れるから」
下着の中から出てきてモノに、意識が飛びかけた。
何だよそれありえねぇお前本当に同い年かよ。
「入れるって……どこに……」
「ここに」
「無理! 入るわけがねぇ! や、やめっ」
常識的に考えて無理だろ。
怖い。
だって大きさが違いすぎるだろ。
「大丈夫だって」
「無理だ、も、やだぁ」
「泣くなって。ほら」
額に、目尻に、頬に、舌に絡ませるようにキスを繰り返しながら。
「ふぁ、ん、あぁっ」
桁違いの圧迫感。
喉を絞められているような。
「ここ、だよな」
「ひあぁっ、だ、だめ、やぁっ」
さっきと同じ、脳天を突き抜けるような快楽。
口を閉じることもできず、飲み込めない唾液が伝い落ちる。
「あ、はぁっ、ぅあっ」
息ができるのに、ずっと苦しいまま。
鼓動と似たリズムで、身体の中をかき回される。
かき乱される。
「もぉ、ぃあっ、やぁっ」
前も後ろも。
上も下も。
中も外も。すべて。すべて。
「イキそう?」
「い、イクっ、も、むりぃ!」
「中に出してもいい?」
「いから、早く、はやく!」
「うん」
抱きしめられて。
首筋に噛みついて。
深く深く。
「ふぅ、ん、ぁんん!」
「――っ」
目の前で火花が散るような感覚と。
火傷しそうなほど熱いモノが、どろりと流れ込む。
虚脱感。
力を失った腕が床に落ちて、ぶつけた手の甲が痛い。
ずっと床に触れていた腰と、喘ぎ続けた喉が痛い。
所々につけられたキスマークも痛い。
それなのに後悔がない。
じわじわと満ちる充足感。
「あーぁ」
やっちまった。
教室で。
どこのAVだよ。
「……ごめんな」
「んで、謝んだよ」
「中に出した」
「そこかよ!」
確かに今現在進行形でマジ気持ち悪いけど。
他にもっと謝る部分はたくさんあるだろ!
無理やり入れたこととか。
思い出しただけで顔が熱くなってきた。
「そこで土下座しろ! それで全部許してやる!!」
「マジで!?」
「土下座だ土下座!! 早くしろ!!」
「わかった!」
そう言って、山本はためらいなくその場で土下座した。
プライドとかないのか。
土下座って日本人の最上級の謝罪方法だと聞いたが、そんな簡単にやっていいものなのか。
つか命令した俺がなんでこんなに焦ってんだよ。
「これで、いいのか?」
土下座の体勢のまま、上目遣いに見上げられる。
プライドがないんじゃなく、懸命なだけか。
「……まぁ、許してやるよ」
「ありがとな!」
「抱きつくな! 鬱陶しい!」
ただでさえ汗でべたついてるっていうのに。
中も外も、気持ち悪い。
少しでも動けば内ももを伝い落ちる感覚が、最悪だ。
「あ、部室のシャワー使えると思うぜ」
「部室?」
「野球部の。もうみんな帰ってるだろうし」
ふと見遣った窓の外は、わずかに赤みが残るだけでほとんど夜色に染まっていた。
「歩ける? お姫様だっこする?」
「何だよ、お姫様だっこって」
「こう、よいしょ」
山本は膝の下に腕を入れると、もう片方の腕で肩を抱いて、俺を持ち上げた。
「こういう」
「降ろせぇえ!!」
なんつー名称だ!
こんな姿を他人に見られてたまるか。
「部室までだし、大丈夫だって」
「その根拠はどこだ!?」
「勘?」
「降ろせえぇ!!」
「うわ、ちょ、危な」
ぐらりと体勢を崩したかと思うと、倒れた山本を下敷きにしていた。
「つぅ……」
「す、すまねぇ」
「いや、大丈夫」
指先で髪を絡めながら頭を押さえられ、引き寄せられるままに口付ける。
優しく。何度も。
「……いい加減、離せよ」
「一生離さねぇって約束したし」
「馬鹿か」
本当は怒るつもりだったのに、こぼれたのは笑みだった。
苦々しくも、笑う。
自分の感情に。
相手の愛情に。
お互いの諦めの悪さに。
「おら、早くシャワー室に連れて行きやがれ」
「オーライ」
これからの気持ちに。
怯えながらも、それでも笑う。
誰かを好きになることで生まれる弱さ。
それが強さだというのなら。
もう一度信じてみてもいいだろうか。
好きになっても。
もう二度と離れないように。
努力をしてみよう。