33 | 大事なモノには「  」を(8059ver.)










     『 大事なモノには 「 腕一杯の愛情 」 を 』






 何よりも大事な君に。
 何度でも言うよ。



「はーやとっ」
「勝手に人の名前を伸ばすな!」
 今日もストイックなスーツ姿。
 ぎゅっと胸に抱きしめ、甘い匂いのする銀髪に唇を寄せる。
「ずっと書類とにらめっこだぜ? こうして隼人摂取しないと窒息しちまう」
「俺は酸素ボンベか何かか」
「あー落ち着くー」
「人の話を聞け!」
 薄い胸板、細い腰、適度な身長差。
 腕の中にすっぽり収まるサイズ。
 このまま家に持ち帰りたい。
 持って帰ってアレやコレやしたい。
「隼人ー大好きー」
「ばっ」
 誰かに届けるはずの書類で頭を叩かれた。
 音の割に痛くない。
 愛ゆえに痛くも痒くもない。


「仕事しろ仕事!」
「キスしてくれたら戻るー」
「はぁあ!?」


 思わず素っ頓狂な声が出た。
 職場でキスを要求してくるとか、どんだけアホなんだこいつは。
 こんな、誰が来るとも知れない場所で。
「いい加減離れろ!」
「愛してるのにー」
「果てろ!」
 不満そうな顔。
 黙ってりゃいい男なのに。
 なんだってこんなにアホなんだか。
「テメェも一応守護者の一人なんだから、ふざけたマネしてねぇで、さっさと仕事しやがれ」
「うー」
 前なら仕方なく手伝ってやってたが、いつまでもフォローや甘えが許される世界でもない。
 たまにはこうして突き放さないと。
「……わかったよ」
 しょんぼりとうなだれたまま、武は両腕をほどいた。
 包むような熱がなくなる。
 それはそれで、少しさみしくて。
 俺は離れようとする腕を掴み、そのネクタイを引っ張って――
 唇を、押しつけた。
「……後でそっち行くから、ちゃんと、終わらせとけよ」
「はやと……」
 見る間に表情が明るくなってゆく。
 かと思うと、再び抱きしめられた。
「こらテメっ」
「大好きー超愛してるーっ」
「果てろぉ!」



 何度もできないけれど。
 何よりも大事な君に。






     『 大事なモノには 「 精一杯の愛情 」 を 』







× × ×

6927と違って8059はほのぼの落ち着くww

表現は違っても気持ちは同じということで。
山本がたくさんたくさん愛情を与えるのを、獄寺は少しずつ少しずつ返してあげる感じで。