目の前には山盛りのマシュマロ。
「……これは?」
「特注したマシュマロシアンルーレット」
早速不穏なネーミングだ。
「中に色んなジャムとかチョコとか入ってるんだけど、ひとつだけ外れがあるんだよ」
「はずれ?」
「お寿司に入れるやつ」
「……わさびですか」
どんなバツゲームだ。
「さぁ、張り切っていってみようか正チャン」
「僕が食べるんですか!?」
「百分の一の確率だよ」
「答えになってませんよ!?」
「ダイジョーブ、正チャンならできるって信じてる!」
「何を!!」
叫んだって意味もなく。
どこまで僕を試せば気が済むのか。
たぶんあれが完成するまでずっと、試されるのだろう。
「……わかりましたよ」
試しにひとつつまんでみる。
真っ白な固まり。
中身はわからない。
――どうせ1%の確率だ。
意を決して口に入れ、噛んで、
「う、ぐっ」
悶絶した。
鼻と喉と目が痛い。
ということはこれは――
「あはははは! 正チャンすごい!」
喜ぶ声がなぜだか遠い。
「1%を引き当てるなんて!」
――やっぱり。
強制的に涙と鼻水が出てくる。
最悪だ。
はずれを引き当てるなんて、外れてるのか当たってるのか、そもそもが矛盾してるじゃないか。
「期待通りで、すごく嬉しいよ」
笑いながら差し出された真白いハンカチで、遠慮なく鼻水を拭き取る。
「……そうですか、それは、よかったです」
「うん。その調子で――お願い、ね?」
鋭い瞳。
白によく映える。
「……はい」
その答えに満足して、白蘭は残りのマシュマロを食べ始めた。
当たりも外れもない甘さの固まり。
「仕事してくださいよ」
「んー正チャンがんばってー」
自分が取ってしまったのだから。
真白なハズレクジを。