07 | だからってソレはない





○ 注意書き ○

この『 だからってソレはない 』は、ジョットがものすごく残念な感じのややえっちい15禁小説です。

ので、まずは


・実年齢・精神年齢が15歳未満
・男性同士の性的表現がちょっと苦手かなぁ
・現実と非現実の違いがわからない

以上に当てはまる方は閲覧を遠慮してください。



15歳以上だしジョスペ大好きだしちょっとぐらいえっちいのも大丈夫!

という方のみどうぞこのまま下へスクロールしてお進みください。





ちなみに本番なしです。





















『 だからってソレはない 』







 ノックを数回。
 返事はなし。
 再度扉を叩いてから、少しだけ開けて覗き込む。
「ジョット? まだ起きていないのですか?」
 カーテンを開け放った室内は朝日を受け入れて明るい。
 薄い天幕に覆われた寝台の中で動く人影。
「ジョット? いい加減起きないと、Gに朝食を片付けられてしまいますよ?」
 布を持ち上げると、上体を起こしたままぼんやりと宙を眺めるジョットの姿。
 デイモンは知らず口許を緩めて、ベッドの端に腰を降ろした。
「んー、召し物の仕度は必要ですか?」
 陽光よりまばゆい金髪を指で梳いて整えてやる。
 まぁ、撫でつけたところで獅子のような髪が落ち着くことはないが。
 金色の扇は夜だろうと寝起きだろうといつもわずかに伏せがちで。
 琥珀が何を映しているのか。
「ジョット?」
 頬に手を添えてこちらを向かせると、ジョットは眉をひそめて難しい顔をした。
 困ったときの顔に似ているが、どこか違う。
 デイモンもつられるように眉根を寄せて問うた。
「どうしたのですか? どこか調子がお悪いので?」
「いや……」
 ふるりと首を振るが、何もないようには見えない。
 季節の変わり目であるし、風邪でもひいてしまったのだろうか。
 シーツを腰にまとわりつかせただけの姿から、また何も着ずに寝たことが推察できた。
「ちょっと失礼します」
 前髪をかき上げるようにして額に触れ、さらに首にも手を当てて。
 じんわりと移る熱は確かに自分より高いけれど、それはいつもの事で。
 高熱にかかっているわけではない。
 ならば他に考えられるのは。
 過去に思考を巡らせようとした途中。
「デイモン……」
「え?」
 首に触れていた手を掴まれたかと思うと。
 ジョットはデイモンの瞳を真っ直ぐに見つめたまま。
 至極真面目な表情で。
 静かに告げた。
「どうしよう、勃たなくなった」



 ☆



「――ばっ、馬鹿ですか貴方って人はあああ朝から何てこと言うんですかぁ!?」
「そうだ、朝だというのにさっぱりなのだが」
「ししし知りませんよ枯れたか老いなんじゃないですか!?」
「馬鹿を言え、昨日まであんなにバリバリだったというのに」
「きゃあああっ離せっ触らせようとするなぁあ!!」
 ジョットの手を無理やり振り払い、ベッドから降りて距離を取る。
 今にも涙がこぼれ落ちそうだった目許を拭い、睨み付ける。
「き、昨日、昼間にも関わらず、あ、あんなことしたからですよ! 天罰です!!」
「それはまたシモに走った天罰だな」
「冷静に答えるな! 反省しろ!」
「体だけが愛の形とは思わんが、しかしこれではデイモンをあんあん言わせられな」
「きゃあああっ黙りなさいっこのっ馬鹿者ぉ!」
 腹から出した罵声に、ジョットは悲しげに瞳を揺らすと、静かに俯いてしまった。
「あっ……」
 さすがに言い過ぎただろうか。
 よく考えたらこれは男としてかなりショックなことかもしれない。
 寝ぼけているように見えた様子も、実は落ち込んでいたのかもしれない。
 それなのに自分は。
 デイモンは躊躇いつつも、改めてベッドの端に腰かけた。
「んー、本当、なのですか?」
「触ればわかる」
「さっ……さわる、って……」
 シーツを巻いているせいで見ただけではわからない。
 ジョットはそれをめくるつもりもないらしい。
 めくられたところで困るのはデイモンのほうだけれど。
 それは関係なくて。
 強制的にも選択肢はひとつだけ。
 デイモンはおそるおそる、手を伸ばした。
 そして。



 ☆



「――っ元気じゃないですかぁ!?」
「あっはっはっだまされたな可愛い奴め」
「ふざっ、ふざけっ、こっ、ばかっ、ばかぁっ!!」
「今日は四月一日だからな、エイプリルフールというやつだ」
 エイプリルフール。
 ランポウあたりが話していたのを思い出す。
 確か、嘘をついてもいい日だとか。
 つまり、勃たなくなったというのは嘘で。
 嘘だから。
 嘘にしても
「どうして朝からこんな元気なんですかっ!?」
「デイモンとイイ事する夢を見てな」
 ジョットは手を掴んだまま、首を伸ばして林檎のような頬に口付けた。
 ついばむように耳朶や首筋にも唇を落とす。
「ばばば馬鹿ですか貴方はっ、て、ちょっ、離しなさい!」
「デイモンの手はすべすべして気持ちいいな」
「待っ、やめっ、ジョット! なっ、何してるんですかっ!」
「やはり直に触ってもらったほうが気持ちいいな」
「ジョットやだやだやめてくださぃっ」
「嫌なら突き放せばいいだろう」
「ジョット!」
「あと、少し」
「ちょっ、本当に、やめっ、やっ――」



 ☆



 叩きつけるように扉を閉める。
「おー、デイモン」
 背中からの声に振り向くと、Gが軽く手を振りながら歩み寄ってきた。
 もう片方の手には食器を乗せた盆を持っている。
 おそらくは待ちきれずに直接運ぶことにしたのだろう。
 本当に過保護な右腕だ。
「その様子だと喧嘩したみたいだな」
「違いますジョットが全面的に悪いんです私は一切関係ありません」
「そうかよ」
 くつくつと笑いながら。
「ところで、お前ハンカチーフか何か持ってるか?」
「んー? 何ですか唐突に」
「持ってるなら拭いといたほうがいいぞ」
 Gは指先で己の口端をトントンと軽く叩いた。
 鏡写しにつられるように、口許へ運んだ指先に触れたのは。



 ☆



 ノックの音も。
「入るぞー隠すとこ隠しとけよー」
 Gの軽口すら耳に入らず。
 蒼眼が映えるほど真っ赤に染めて。
 わずかに涙すらたたえつつ。
 短く息を吸い込んで。
 デイモンは震える唇で最後の罵倒を紡いだ。


「永眠しろ! この馬鹿ジョット!!」





× × ×

え?G様がいつも通り?
当たり前じゃないですか、あのジョットの幼馴染ですよ?

ということで、R指定するかどうか迷いに迷った話でしたがいかがだったでしょう?
え?エイプリルフールはもう過ぎてる?
そんなことよりスペたんってかわいいですね!!

☆の部分でジョット様がナニしたかはご想像にお任せします!


ありがとうございましたっ!!orz三ズサー