アッ ○ 最初から最後までヤってるシーンしかない話 ○ !
○ 注意書き ○
この『 rotative☆motion 』は、
スペたんをとにかくオモチャで責め立ててジョット様が超☆楽しんでる
そんな内容の18禁小説です。
ということで、まずは
・実年齢・精神年齢が18歳未満
・男性同士の性的表現が苦手ていうか嫌い
・現実と非現実の違いがわからない
以上に当てはまる方はお願いします後生ですから今すぐこのウィンドウもしくはタブを閉じてくださいお願いします頼みますお願いします。
あと、
・異物挿入(パール、ローター)
・乳首ローター
・尿道開発
・小スカ
・フェラ(ゴム越し→生)
以上のプレイ内容に悪寒や寒気を感じられた方も今すぐこのウィンドウもしくはタブを閉じてお腹を冷やさないよう扇風機はやや上を向かせて寝てくださいお願いします。
18歳以上だしジョスペ大好きだしマニアック大好きいいいい!!
という方のみどうぞこのまま下へスクロールしてお進みください。
呼ばれた気配に実体化すると、裏返りかけた怒鳴り声が耳をつんざいた。
「次からはそういうのに俺の名義使うなよ!?」
扉が外れるのではと懸念するほど勢いよく閉められる音。
またか、と思いながらベッドに腰掛けると、気配を察知したのか、ジョットが嬉しそうな表情で振り向いた。
己の末孫に叱られたことなど一切気にもしていない軽快な足取り。
この様子だと彼が今回のことを忘れた頃合いを狙って、また同じことをするつもりなのだろう。
「一応聞きますけど、今度は何をして彼を怒らせたのですか?」
「まるで最初から俺が悪いみたいな言い方だな」
両手で抱えるほどの箱をベッドへ置き、自由になった腕で抱きしめようとしてくる。
当然、デイモンは両手を突っ撥ねて拒否を示した。
「悪くなかったためしがありましたっけ」
「何だ、デーチモの肩をもつつもりか」
「んー、貴方のような祖をもつ彼を憐れんでいるだけですよ」
「何と」
「それより、この箱は何ですか?」
冷たく睨み上げながら問うてやると、ジョットはあきらめたように肩をすくめ、箱を挟んで反対側に腰を降ろした。
「デーチモに通販というものを教えてもらってな、欲しいものを購入したんだ」
「通販?」
「注文するだけで家まで届けてくれるサービスだ」
そういえば、十代目霧の少女もインターネットを使って同じようなことをしていたような。
もしや届け先を綱吉にでもしていて、名義がどうこうと怒られていたのだろうか。
しかし、それだけで怒るような人物とも思えない。
「……んー、何を、買ったのですか?」
「オモチャだ」
「オモチャ?」
予想外の答えに素っ頓狂な声が出た。
ますます彼がどうやって綱吉を激怒させたのか理解できない。
いや、いい大人がオモチャを通販すること自体、どうかと思うけれど。
デイモンが軽く頭を抱えてる間に、ジョットは鼻歌混じりに箱のテープを剥がしていった。
箱を開けると、色々と購入したのだろう、小さな箱が次々と出てきた。
その内のひとつを手に取ってみるが、パッケージの写真や商品名を見ても、いまいちどのようなオモチャなのか推察できない。
「……開けてみても?」
「あぁ、構わん」
気味が悪いほどの快諾を受けて、箱から中身を取り出してみる。
ピンク色の、ウズラの卵を一回り大きくしたぐらいの玉と、そこからコードが伸びてコントローラーのようなものに繋がっている、何か。
本当に、何か、としか言いようがない。
誰がどうやってどういう意図で遊ぶオモチャなのか。
一緒に電池も出てきたので、電動式の何かだとは思うが。
「んー、これは一体どこに入れるのですか……?」
「えっ」
「え?」
驚いたような声音に顔を上げ、視線を合わせたまましばしの静止。
それから、ジョットは妙に慌てた様子で問うた。
「な、何をだ?」
「……この電池を、ですよ」
「あ、あぁ、それはたぶん、こっち、だろう」
そう言ってコントローラーの方を手に取り、側面をスライドさせてフタらしき部分を開けてみせる。
なるほど、この三角形の印はスライドさせる方向という意味だったのか。
電池を包むフィルターを破り、プラスとマイナスの方向を確認する。
「これ、入れてもいいですか?」
「――っ、あぁ、構わん、存分に、好きなようにしてくれ」
「はぁ……」
訳がわからない。
表情で何を考えているか読み取ろうにも、顔をそむけられてしまった。
何かおかしなことでも言ってしまったのだろうか。
己の言動を思い返しながら、電池を押し込め、フタを閉じる。
コントローラーにスイッチらしきものはなく、代わりに目盛りの書かれたつまみがついていた。
電池まで入れてみたものの、これ以上はさすがに不穏なものを感じてしまう。
まさか、このつまみをひねった途端、先の玉が割れたりするのだろうか。
電動式のびっくり箱というものを想像し、おそるおそる、それはわきに置いておくことにする。
そして気がつくと、ベッドの上にはジョットが箱から出したオモチャが様々に並んでいた。
大小の玉が交互に並んだ棒のような何かや、試験管のような細い瓶に入ったマドラーのような何か。
マドラーの方は淡いピンク色の液体も一緒に入っていて、とても可愛らしい。
オモチャというよりも洒落た置物のようにも見える。
それと、先ほどデイモンが取り出した物と形は似ているが、玉が豆粒ほどに小さい何か。
コードを指に引っかけて豆粒を揺らしてみるが、別段何かが起こるというわけでもない。
しかし、その動きには想起させるものがあった。
「もしかして、猫用のオモチャ、ですか?」
この時代の守護者は各々専用のペットを所有しており、綱吉も小さなライオンを可愛がっている。
同じネコ科の動物として、猫用のオモチャにじゃれつくかもしれない。
――と、思ったのだけれど。
「なるほど」
ジョットがこぼしたのは、むしろ悪寒を感じさせるほど不気味な笑い声で。
「ネコ用のオモチャか、なるほど、それは言い得て妙だな」
「な、何ですか、その、その笑いはっ」
「いや? 何も?」
空になった箱を床へ置き、じり、と詰め寄ってくる。
「な、何もないようには見えませんっ」
嫌な予感から、じり、とベッドの縁を移動する。
「気のせいだ」
「い、いいえ、その顔は、何か企んでいるときの顔です!」
床を蹴るように素早く立ち上がろうとしたもののジョットの瞬発力に敵うはずもなく、デイモンは一瞬で腕を掴まれ、ベッドに引き倒されてしまった。
「きゃあっ!」
「逃げようとするな。捕まえたくなるだろう」
「貴方は犬か何かですか!?」
「ふむ、それも面白そうだな」
「ひぅっ!?」
首筋をべろりと舐められ、肌が粟立つ。
「やっ、やめっ、やめなさいっ」
頭を掴むも押し返すことは敵わず。
「ジぉ、やめ、ジョット!」
食むでも噛むでもなく至る所を舐め回されて。
上着を剥がれ。
シャツを捲り上げられ。
靴もズボンも、下着すらも脱がされて。
あれよあれよという間に。
「も……やぁ……っ」
抵抗する気力も失う頃には、一糸まとわぬ姿でシーツの上に転がされていた。
「相変わらず感度がいいな」
ジョットは白い両足を広げながら腰の下にクッションを敷き、少しだけ高く持ち上げさせた。
「ちょ、や、これ、嫌だといつも言って」
「よく見えて俺は好きだが」
「私は嫌ぃ、んんっ」
臀部の谷間をするりと撫でられ、不覚にも声が上擦ってしまう。
慌てて手で口を押えた隙に、ジョットは覆い被さるようにして胸の先へと舌を伸ばした。
「ゃんっ、だめぇっ」
片方を舌で転がし、もう片方は指先でつまんだり押し潰したりと弄ぶ。
「ぁっ……ぃ、ん……っ」
小さな実が赤く熟れだしたところで、離されてしまう。
「ふぇ……?」
いつもならもっともっと執拗に捏ね回すのに。
どうしたのかと目を向けると、さきほどデイモンが電池を入れていたピンク色のオモチャを取り上げていた。
コードの長さやコントローラーを確認し、玉の部分を摘まんで唇に押しつけてくる。
「んんっ?」
「あーん?」
「んー!」
咥内に入れられないように口を閉じたまま首を横に振る。
何なのかわからない物を容易に受け入れられるか。
「大丈夫だ、破裂したりしない」
「んー?」
「あぁ、舐めるだけでもかまわないから」
「んー……」
舐めるだけというのは嘘だろうが、危険はないのだろうと判断し、おそるおそる唇を綻ばせる。
表面が滑らかなこともあって、玉はするりと口の中に落ちてきた。
慌てて舌で受け止めて、喉まで落ちないようにする。
「何なんれふか、これ」
「オモチャだ」
「……そういうこおを訊いえるわけれは……」
意図はわからないが、とりあえず飴玉のように舌の上で遊ばせてみる。
溶けるわけでも味がするわけでもなく、ただ歯に当たってカラコロと音が鳴るだけ。
本当に、一体何がしたいのか。
問う視線にも気づかず、ジョットはまた別のオモチャへと手を伸ばした。
今度のオモチャはコードが二股に分かれていて、その先には口に入れた物とよく似た豆粒がふたつ。
それと、医療用の細いテープを二枚分ほど千切ったもの。
どこかに貼りつけるつもりなのだろうか。
――というか。
「んー……その、遊うか、す、するか、ろひらかに……」
「もちろん遊ぶに決まってるだろう」
にんまりと口許を歪め、ジョットは豆粒のひとつをデイモンの乳首に押し当てた。
「ふあっ!?」
そのままテープで固定し、もう片方の豆粒も乳首を押し潰すように貼りつける。
「なんっ、なにっ、何っ!?」
意味がわからない。
何をしたいのかわからない。
とにかく混乱で泣きそうになっていると、目の前に小さなコントローラーを示された。
中央に小さなスイッチ。
それに指を乗せて――
「ん―――っ!?」
突然の刺激に一瞬視界が真っ白になった。
咄嗟にコードを引っ張ろうとした手を掴まれ、シーツに押しつけられてしまう。
「んんっ、ひぉっ、ひゃえっ、ひゃやあっ」
小刻みな振動。
肌を直接震わせる刺激。
細かく。
「んーっ、んくぅっ、ふやっ、んぅぅっ」
背筋が乖離するような。
胸が剥離するような。
いつもとは違う、違いすぎて、恐怖すら感じて。
「やらっ、らえっ、ひぉっ、ろえれっ」
身をよじって、くねらせて、背を反らせて。
それでもテープで固定したものは外れず。
濡れて滲む視界には、至極楽しそうな表情。
ぎゅ、ときつく目を閉じると同時に。
「んっんっんん――っ!」
両膝でジョットの身を挟むようにして、デイモンは大きく身を震わせた。
そのタイミングを見計らって、振動が止められる。
吐精こそしなかったが、だからこそなのか、呼吸で胸を動かすことでさらに乳首が刺激され、快感を引きずってしまう。
こんな小さなオモチャごときで。
こんなモノで。
生来持ち合わせている気位の高さが、ひどい屈辱感を訴えて。
「……ひ、ひっく……ひぅ……っ」
閉じたままの目尻から次々と雫がこぼれ出した。
「ひおいれす、も、あならなんか、きらいれす……っ!」
「デイモン……」
拘束を外された手で顔を覆い、鈍痛を訴える鼻をすすり上げる。
この恋人はとにかく人の嫌がる行為や矜持を傷つけることしかしない。
媚薬を飲まされた時は殺してやろうかとも思った程。
けれど何より恐ろしいのは、それらすべてが彼自身の純粋な興味から発生しているということ。
どんなことをすればどのような反応を返すのか。
楽しそうに。
嬉しそうに。
「ん、んく……ひっく……っ」
自分ですら知らない一面を発掘しようとしてくるから。
「……すまない」
さすがに反省してくれたのだろうか。
ジョットは落ちる涙を吸い取って、優しく頬を撫でてきた。
ゆるりと瞼を持ち上げると、いつものようにやや伏せがちの瞳が間近にあって。
言葉通りすまなさそうな顔のまま。
「今の可愛さには、思わず、かなり興奮した」
まったく違う方向で反省していた。
「おまっ」
そして豆粒を外すこともなく、また別のオモチャを選び始めた。
「ちょっ、待え!」
「次はこれがいいか」
「ひろのはなひを聞け!」
「潤滑剤もあったな、よし」
「待ひなひゃい!」
「安心しろ、ローズの香りだ」
「意味ひゃわひあっ!?」
下腹部に広がる冷たい液体に、ぞくぞくと身を強張らせてしまう。
まるで粗相をしてしまったかのような感覚に、さらに羞恥心を煽られる。
ジョットはローションを馴染ませるように何度か後口を指先で撫でた後、ゆっくりと差し込ませていった。
「ひんっ、んっ、やらぁ……っ」
クッションで一段高く上げられているせいで、下腹部の液体がへそに溜まり、溢れて胸の間を伝ってくる。
バラというには甘すぎる匂い。
「じぉ、っろ……おねひゃぃ、も……っ」
「そうだな、あまりトロトロにほぐしたら反応がわかりにくいからな」
「はあ!?」
「次はこれで、遊ぼう。な?」
そう言って持ち上げたのは、大小のボールが交互に繋げられた何か。
用途がまったく推察できない形状にも不安を感じたが。
何より、その、セリフが。
「あ、あひょむっれ、まひゃか――」
オモチャというのは。
遊ぶというのは。
これらの意味不明な何かとは。
「やっと気づいたみたいだな?」
手に持ったオモチャをうにうにとくねらせて、性悪に笑う。
「そうだ、これは性具というヤツだ」
「―――っ!?」
「早速挿れてみようか、大丈夫、これも乳首のと似たようなモノだ」
「れんれんひあいまふ! ひ、そっひは、やっ」
ローションをまとわせるように下腹部にすりつけて。
「らめっ、らめえっ、やらあっ」
本気で暴れているというのにまったく甲斐なく。
指で後口を広げられ。
「ひっ――」
異物が。
つぷりと。
入り込んできた。
「やっ、やっ、やぁっ」
続けて、大きい方の玉がゆっくりと、小さな玉と交互に押し込まれてゆく。
「むり、も、なか、いっふぁい、むりぃっ」
「そう言う割には順調に飲み込んでるぞ」
「んああっ!?」
かき混ぜるように棒を動かされたせいで、腰が大きく跳ねてしまう。
ジョットのモノですら届かない奥を引っ掻いて。
体内を無機物が徘徊する感覚と、これ以上ないほどの屈辱感。
こんなの違う。
悦くなるわけがない。
否定しようとするのに。
「動かすぞ」
「――っ!?」
腹の中から虫の羽音のようなものが響いて。
「んゃっ、あぁあっ!?」
大小の玉がそれぞれに内壁を震わせ始めた。
本能で腰を浮かせてしまうが、すぐさに上から押さえつけられて。
そのせいで、より鮮明に、中の異物を感じ取ってしまった。
「ぃやあああっ、じょっと、こぇっ、いゃあああっ」
「すまん、強くしすぎた」
カチカチと動かす音がして、振動が弱くなる。
「はっ……ん、んぁっ……ゃらぁ……っ」
胸のテープも、中の異物も、全部気持ち悪いはずなのに。
「んぅ……ぁ、ん……ぃっ……」
じわじわと。
緩い刺激が。
そこから全身へと熱を広げてゆく。
「こちらも、最弱なら耐えられるだろ」
「ひんっ、んぅう……っ」
再び震え始めた豆粒に、自然と身をくねらせてしまう。
すがる物を探してシーツの上に手を這わせるが、指先に当たるのは卑猥なオモチャだけで。
最終的にデイモンはジョットの腕を掴まえ、きつく握りしめた。
「ジョットぉ……んっ、抜いひぇ……おねひゃ、ぃっ……」
こんなことなら、ジョット自身で、荒々しく抱かれるほうがマシだ。
ずっと愛撫を続けられているようなもどかしさで気が狂いそう。
潤む瞳で懇願するも、ジョットは嬉しそうに目を細めるだけで。
そっと腕を掴む手を外して指先を口に含むとデイモンの上体を引き上げた。
「ひんんっ、やあっ!」
臀部がクッションに押され、さらに奥を穿たれる。
「お前は本当にイイ声で啼くな」
「らまれっ」
ジョット自ら背もたれの代わりとなるように、デイモンを背中から抱きしめる。
必然、腰の辺りに熱い塊が当たり、肩が震えた。
「どうした?」
「……ジョットは、んぁっ」
すでに唾液でドロドロのオモチャを口から取り出される。
やっと自由になった舌は少し動かしにくかったけれど、デイモンは視線だけで振り向いて問うた。
「私ばかりで、その……ジョットは、いいのですか……?」
「あぁ、こうしてお前を可愛がるだけでも充分楽しめるからな」
「なっ、本当に貴方という人は! どうしてっ、どうしてそう」
「ほら、実はこれも震えるのだぞ」
「ひゃんっ!」
小刻みに震えだしたピンク色の玉を指先でつまんだまま、胸の縁を辿るように押しつけられる。
「あっ、やぁっ、やめて、くださぃ……っ」
豆粒と挟むようにして乳首を引っ張ったり、押し潰したり。
鎖骨や首筋をなぞったかと思えば、ゆっくりと胸の間から腹部へと落ちて。
「んやああっ!?」
自身の付け根に押し当てられた。
駆け抜ける刺激に背を反らせば、乳首がオモチャで押し潰されて。
二重の振動に口端から涎が垂れ落ちる。
「ジョットっ、そこはっ、だめっ」
「先走りでいい感じに濡れているな」
「言うな!」
「鈴口に当てたら、どうなるだろうな」
「ひぃっ」
ジョットは立ち上がったデイモン自身に指を這わせて緩く掴み、ゆっくり、ゆっくりとオモチャを近づけていった。
「や……やめ……ジぉ、ジョット!」
その腕を掴んだり叩いたりしても、好奇心を制止できるはずがなく。
「ひぁっ、あっ――!?」
尿道口を分け広げる振動に、デイモンは甲高い嬌声をあげた。
思わず腹筋に力を込めてしまったせいで、中の異物の振動もより強く感じてしまう。
「やぁっ、やっ、んっく、――っ、はぁっ」
足を突っ張っても逃げられやしないのに。
何度もシーツを足で掻いて、掻いて、幾重にも波を作っていく。
ジョットはさらに鈴口から裏筋をなぞり、陰嚢との間を刺激した。
「きゃあぁあっ!?」
眼裏が明滅するような強い眩暈。
「やっ、へんっ、そこっ、へんになるっ」
陰嚢の真ん中をなぞるように、後口との間と竿との間を振動が行き来する。
「いやっ、だめっ、イっ、おかひく、なっ、ひきゃああぁっ!」
内と外で前立腺を挟まれ、ぶつかり合う振動に声すらも震える。
「……ふむ」
ジョットは舌先で唇を湿らせると、オモチャのスイッチを切って、再びそれをデイモンの口の中に落した。
「はぅ、んー……?」
不意に刺激がなくなったことと、舌に触れた体液の味に、思わず眉をひそめる。
さすがに飽きたのだろうか。
いや、それはない。
むしろ次は、何をするつもりなのか。
ジョットはオモチャを持っていた方の手を軽く振って呻いた。
「これは手が痺れていかんな」
「んっ、あっ」
先端から溢れる体液を全体に広げるように。
人差し指で窪みに爪を立てながら、残りの指で竿を揉み扱く。
「はぁっ、ん……ジョット、も、苦し……っ」
「イキたいか?」
「ん……おねがぃ、ぃ……イカせれっ……」
「いい子だな」
額にキスを落とし、ジョットは差し込んだままのオモチャに手を伸ばした。
「えっ」
「たっぷり、オモチャでイかせてやろうな」
「や、やらぁあっ!?」
虫の羽音が一気に大きくなり。
内壁を、前立腺を、最奥を、振動でもって強く刺激し始める。
「ひああぁっ、んっ、やぁあっ」
「どうだ? 気持ちいいだろう」
「ぃやっ、やれすっ、こんな、ジョット、ジョットがいいっ」
「デイモン……」
さらにジョットはオモチャを掴んだまま、
「可愛いことを言ってくれるな、もっと苛めてみたくなるだろう」
「んやああぁっ!?」
縁がめくれてしまうほど強引にそれを抜き差しした。
「らめっ、ひあっ、やらっ、ィきらく、なぁっ!」
「イカせてほしいんじゃなかったのか?」
「こん、なっ、ものれっ、んっ、ぃやっ、やらぁっ!」
大小の玉が交互に蕾を広げては出入りする、無機物な感触が怖くて。
ジョットしか受け入れたくないのに。
これでは、機械に強姦されているようなものだ。
いくらジョットが動かしているからといっても。
こんなの。
こんなの。
「あっ、あぁっ、キひゃうっ、くっ、イっ、んっ」
短く息を吸い、唇を噛んで果てる、そのタイミングを見透かして。
ジョットは一気にオモチャを引き抜いた。
「―――っっ!?」
勢いよく噴き出した白濁が下腹部やシーツの上に降りかかる。
うるさい音も異物感も一瞬で消えて。
ただ、胸を弱く刺激する羽音と吐精の余韻に痙攣する体を背中から抱きしめて。
労わる所作で腰の下からクッションを抜き、萎えたデイモン自身を何度も緩く握り込む。
「はぁ……ん……んぅ……」
嗚咽混じりの乱れた呼吸。
それが落ち着くのを待ちながら、ジョットは吸血鬼のように首筋に赤い痕を残していった。
「ひゃいあく……れふ……」
「気に入ると思ったんだがな」
「こ、こんなっ、の……っ」
身をよじって振り返り、デイモンはジョットをきつく睨み上げた。
「こんろひひゃら、れふえんひまふ」
「本気で可愛いなデイモン」
「ひろのはなひを聞け!」
「しかし、これだとキスしにくいのが難点だな」
「んぁっ」
コードを引いて咥内のオモチャを取り上げられる。
それから、顎を持ち上げられ、咬みつくようなキスが落とされた。
「んっ……ふ、ぁ……」
柔らかく、熱を持った塊。
機械音のするオモチャよりずっといい。
そう訴えるためにも積極的に舌を絡めていると。
「んんっ!?」
ぐ、と何かを後口に押し込まれた。
「んなっ、なにっ、何を入れたっ!?」
慌てて確認すると同時に、軽く眩暈を覚える。
視線の先、先ほどまで異物を咥えさせられていた箇所から、細いピンク色のコードが伸びていた。
こく、と唾液を嚥下すると、ずっと舌に乗せていた大きさや形が思い出されて。
それが今度は下の口に入っているなど。
言葉も出ない。
悔しいとか腹立たしいとか悲しいとか色々な感情が混ざりすぎて。
単純に、どうすればこのような事態を避けられたのかと、仮定論へと思考を移す。
しかし。
「ひ、ぁっ」
そんな逃避など許してもらえるわけもなく、腹の中から伝わってきた細かい振動に、デイモンは肩を震わせた。
さっきのモノより範囲の狭い震えに、もどかしく膝を擦り合わせる。
「……あ、ん……やぁ……っ」
「イク時の声もイイが、そうやって鼻にかけた声も可愛いな」
「ジョットぉ……」
一体何を言えばやめてもらえるのか、もはや考えることすらままならず、ただ名前を呼んで、涙に濡れた瞳を向ける。
ジョットは伏せがちの目をわずかに見開いてから、愛おしげに細めた。
自分の名前だけを紡ぐ唇に触れて。
あるいは、唇が届く限りに所有物の証を刻んで。
「……んっ……ジョット……」
手の中で固さを取り戻してきたデイモン自身をチラと見遣り、ジョットは細長い瓶を手に取った。
「デイモン、これが何かわかるか?」
絶え間ない快楽に揺れる視線を向け、気だるげに首を傾げる。
細い、マドラーのような、棒の入った瓶。
軽く瓶を振ると、中の液体が若干遅れて揺れたので、とろみのあるものなのだと知れる。
それだけで、何がどうとか考える気力もなく、ゆるゆると首を横に振る。
「じゃあ、使ってみるか」
そう爽やかに言い放ち、瓶のフタを開けて中の棒を取り出す。
棒は飴細工のようにねじれていて、その段差に絡んだピンク色の液体が握りしめられた竿にぱたぱたと降りかかった。
「んっ……つめた……」
それを指先で鈴口に擦りつけてから。
「最初は痛いと思うが、すぐに悦くなる」
「ぃ―――っ!?」
尿道口に激痛が走った。
「――っ、――っ、――っ!?」
ぐち、ぐち、と棒の先が細い管に捩じり込まれて。
閉じられない口から反らせた喉へ、唾液が伝い落ちる。
声はすべて掻き消えて。
ジョットの腕に立てた指先から皮膚を抉る感触が。
痛みを訴える声が耳を掠めたけれど。
それすら構っていられないほど。
腰から下の力が失せて、膝がガクガクと痙攣して。
「――っ、ジぉっ、――っ」
名を呼ぼうにも、呼吸の仕方すらわからず。
ひぅ、と空気だけが漏れて。
さすがに危険なものを感じ取ったのか、ジョットは挿入する手を止め、きつくデイモンを抱きしめた。
「落ち着け、デイモン、俺の呼吸に合わせろ」
背後から耳朶に唇を当て、ゆっくりと、深呼吸を繰り返す。
「吸って、吐いて、わかるな?」
背中に胸を当てて肺の動きも伝わるようにして。
ゆっくりと吸って。
ゆっくりと吐いて。
全身に酸素が行き渡るように。
何度も。
やがて、浅く不安定であった呼吸は、ジョットと同じリズムの、深呼吸へと変わっていた。
「よくできたな、デイモン、いい子だ」
抱きしめる力を緩め、頬に唇で触れる。
しかし体の痙攣は収まらず、つま先はシーツを掴むように丸められていた。
「……さすがに尿道開発は難しいか」
半分も飲み込んでいない棒をくるりと回す。
「ひぁんっ」
体の芯を駆けのぼってきた電流が嬌声となって喉からこぼれ出た。
「なんだ? 案外イケそうか?」
ジョットはもう一度確かめるように、くるくると棒をひねった。
「んやぁあっ……あっ、らめぇっ……!」
明らかに悦く感じている時の、甘くとろけた声音。
腰に直接クる反応に、ジョットは小さく喉を鳴らした。
「イケそう、だな」
「あっ、やぁんっ……」
じわり、じわりと。
ひと思いには貫かず、呼吸に合わせるように挿抜を繰り返しながら。
固く長い棒が、何も受け入れたことのない箇所へ。
「……だめっ……んぁっ、むりぃっ……ジョットぉ……っ」
「その割には随分甘い声が出てるぞ?」
徐々に、奥へ奥へと、侵入してくる。
「ぃやっ……こ、こわぃっ……ぁあっ」
「怖い? 何が怖い」
「そ、そんなとこ、でっ……か……かんじる……なんてっ……」
言葉尻が嗚咽に混ざって消えてしまう。
痛みは確かにある。
今まで感じたことのない違和感。
けれど同時に、声を抑えられないほどの快楽が駆けて。
痛みで痺れれば痺れるほどに、より快楽を得てしまうなど。
自尊心が耐えられない。
こんな行為。
次々と頬を伝い落ちる涙を吸い取り、ジョットの声が嬉しそうな色を帯びた。
「そうか、気持ちいいか、よかった」
「ちが、ぁっ、ああんっ」
「だったら、もっと、悦くしてやらないとな」
「やっ、はぁんっ、んゃあっ」
ねじれて波打った部分が尿道口を刺激して。
ありえない箇所から淫猥な音が響いて。
棒に付いていた液体とデイモンの体液が混ざり合い、淡い桃色の液体が挿抜の間に溢れ出す。
「らめ、ぇっ、こわれっ、ひゃ、ぁんっ」
ずっと繰り返し吐精しているような排泄感と。
出した精を押し戻されているような圧迫感と。
さらに棒を引き抜くタイミングで竿を握りしめられることで、棒の凹凸が直接伝わってきて。
「やぁっ、んくっ、ふぁっ、あっ」
「どんな感じだ? 後ろに出し入れされるときと同じか?」
「ぜ、ぜん、ちがっ、イっ、もぉっ、ジョットぉっ」
「あぁ、いつでもイってもいいんだぞ? もっと速くしたほうがいいか?」
「ひぁああっ、らめっ、らめぇっ、んぁっ」
短いひきつけの後、
「ああぁあぁっっ!」
デイモンは己の体を抱きしめるように背を丸めて、悲鳴にも似た嬌声をあげた。
何度か大きく震えてから、余韻を留めたまま、怪訝に下腹部を見下ろす。
「あ……ぃや……やだぁ……」
出てくるはずの精液は、挿れられたままの棒で完全にせき止められていた。
そのせいなのか、じくじくと根元が疼き出す。
ジョットはそれに気づくと、すぐに棒へと手をかけた。
「すまない、イくときに抜けばよかったな」
「んやっ、らめっ、いまうごかひゃああっ!?」
引き抜かれる感覚と吐精感が重なって。
棒が完全に抜かれると同時に、白濁が勢いよく飛び散った。
それだけでなく。
「やっ、うそっ、やっ、やっ、――っ!?」
刺激に誘発されたのか、小さな水音と共に。
「ぅああ……やだぁ……みない、でぇ……」
皺寄ったシーツの上に淡い水溜まりが広がっていった。
顔を覆う両手の隙間から、信じられないといった目でそれを見下ろし。
嗚咽が込み上げてきたのをきっかけにして。
「ひっ……ひぃっ、ぅく……ぅええ……」
デイモンはついには泣き出してしまった。
こんなこと初めてだ。
まさか、絶頂の延長で粗相してしまうなど。
ありえない。
ありえるわけがない。
それもこれもジョットがあんなモノを使ったりするから。
「ばかぁ……ひぅっ、ん……ジぉっ、の、ばかぁ……」
突然の放尿にはジョットも驚いていたのか、はたと我に返ったような表情をすると、震えるデイモンを丁寧に横たえさせ、その枕元に座り直した。
「……その、なんだ、すまなかった」
腕や背中、髪を撫でてあやす。
「お前のことだから、その、気にするなと言っても詮無いことだとは思うが、」
「ひっく……ん、ふぇえ……」
「なんだ、正直に言うと、俺としては非常に……眼福だった」
「自重しろぉっ」
殴ろうとしたけれど力が入らず、ジョットの膝を軽く叩いただけになる。
そのままズボンを握りしめ、落ちる涙をシーツに吸い込ませる。
何が眼福だ。
人の放尿シーンを見て何が楽しいのか。
特殊すぎるだろう。
羞恥プレイにもほどがある。
馬鹿。
ばか。
ジョットの馬鹿者。
目を閉じたまま鬱々と心中で罵倒を繰り返す。
その内に呼吸が落ち着いてくると、棒を入れられていた箇所が疼くように痛み、さらに体内と胸のオモチャがそれぞれ微弱な振動で、再び神経を苛み始めた。
「……ん……ふぅ……」
唇に手の甲を押し当てて刺激に耐える。
本当に、いつまで続けられるのか。
なるべく無心を保とうとしていると、濡れた音が耳を掠めた。
水音なのか。
くちくちと。
例えるなら、そう、アレを弄るような。
それ以外思い浮かばないほどの悪い予感に、ゆるゆると瞼を持ち上げると。
「ひっ」
眼前に起立したジョット自身を突き付けられていた。
まさかまた無理やり咥えさせられるのだろうかと一瞬身構えたが。
「あぁ、いい、そのまま寝ていてくれ、自分で処理するから」
予想外の言葉を与えられた。
「じ、自分で……?」
「さすがに無茶が過ぎたからな」
自身の先端に指を立てながら、苦笑する。
「かと言って萎えそうにもないし、せめて眺めながらすることだけは許してくれないか」
「ゆ、許すも何も……」
本当にそれでいいのだろうか。
何もしないで済むのならそれに越したことはないけれど。
今日は与えられるばかりで。
まだ、ジョットのために、何もしてあげられていない。
というか正直なところ、己の醜態を自慰のネタにされることが、まず納得できない。
目の前で自慰にふけられるぐらいそれならば。
いっそ。
「……――げ、ます……」
「ん?」
「て、手でもいいなら、し、シて、あげ、ま、す……」
言っている内に羞恥が満ちてきて、熱くなる顔を両手で隠してしまう。
「デイモン……」
「さ、さきほどのを、許したわけではないのですからね!?」
「あぁ」
「わ、私がいるのに、そ、そのようなことをされるのが、不快なだけでっ」
「あぁ、そうだな、すまなかったな」
その手首を掴んで、ジョットは嬉しそうに唇を重ねてきた。
絡めてくる舌に応えて。
腕を引かれるままにゆっくりと、四つん這いに身を屈める。
「んくぅっ……ん……っ」
動く度にオモチャが擦れて、つい、ジョットの太腿に額を押し当ててしまう。
「大丈夫か?」
「し、心配して、くださるなら……取って、ください……」
「残念だがそれは聞けない頼みだな」
じとりと睨み上げても効果はなく。
唇に触れてくる指を歯で噛むと、さらに嬉しそうに目を細めた。
「どうせなら咥えてみるか」
「く、口は……」
ジョットのモノは大きすぎるし、うまくできないのもあるけれど。
何より、舌に触れる味が、どうしても受け入れられなくて。
自発的にはシたくない行為だった。
「……そうだな、アレならどうだ」
「アレ?」
「一緒に買ったんだが」
散らばったオモチャの中から小さな袋を取り上げ、破って中身を取り出す。
途端、チョコレートの甘い匂いが漂った。
「お菓子?」
「フレーバーゴムという物でな、わかりやすく言えば匂い付きコンドームだ」
「こっ、んっ!?」
慣れた手つきでくるくるとゴムを自身に装着して。
「味までチョコレートかどうかは知らんが、これなら舐められるだろう?」
あっと言う間に薄い膜に覆われた逸物を目の前に突きつけられた。
「んー……」
色までうっすらとチョコレート色で、見慣れているはずなのに何か別のものに見えてしまう。
おそるおそる手を伸ばすと、ゴムにローションがついていたのだろう、ぬるりと指が滑った。
いつもの雄臭いものではない、甘い、お菓子の香り。
形はさておき常とは違うそれに、デイモンはゆっくりと舌先で触れてみた。
少しだけ舐めて。
「……やっぱり、変な味がします……」
「チョコレートじゃなかったか?」
「んー、子ども向けの、飲み薬のような……」
故意に甘く調味したような、作り物の味。
けれど。
あれよりは、マシと言えなくもない。
これなら……
キラキラと期待する視線から顔をそむけ、
「ぁむっ」
躊躇してしまう前に、デイモンは一気にそれを咥え込んだ。
すべては無理だが、先の部分だけをなんとか口の中に含んでしまう。
「ふ、んぅ……はっ……ぁんぅ……」
幼く見える顔には不釣り合いなほどの。
ある種凶悪なモノに舌を絡ませ、口に入らない分は両手で丁寧に揉みしだく。
甘噛みした感触や舌に触れる形は、確かにジョットのモノだけれど。
懸命に食むほどに、ぼんやりとした不安が、心中に浮かび上がってきた。
口いっぱいに頬張っているせいで動かしにくい舌を、それでも伸ばして。
嫌と言いつつも咥えさせられる内に覚えてしまったジョットの性感帯。
それを撫でようとすると、どうしても薄い膜が邪魔をして。
もどかしい。
ぎこちない。
ちら、と前髪の隙間からジョットの表情を伺って、確信する。
やっぱり。
恍惚として、嬉しそうだけれど。
――直接には感じていない。
デイモンは泣きそうになりながら段々と食む力を失ってゆき、しまいにはジョットのモノから口を離してしまった。
「……どうした? 疲れたか?」
「いえ……」
指先でゴムの縁をなぞる。
「んー……そ、の……」
どう言えばいい。
言葉が見つからない。
どうしたいのか。
「……無理しなくていいぞ? 何なら、あとは自分でなんとかす」
「違いますっ、私がしますっ」
頭を左右に振って、やんわりと押し離そうとした手を拒否する。
「ただ……その……」
手慰みのようにジョットのモノを握ったり離したりを繰り返して。
そういえば、手触りも違う。
匂いも味も違う。
どこか、無機質な。
オモチャを舐めさせられているような。
そう思った瞬間、はっきりした。
「……――が、いい、です……」
「すまん、よく聞こえなかった」
「だ、だからっ、こ、こんな、モノ越しより、も、ジョットの……」
語気はどんどんと弱くなって、本当に言いたいことは蚊の鳴くような声で。
「ジョットを、直接……あ、愛したい、です……っ」
いつの間にか目も固く閉じてしまって。
はしたない台詞だと思う。
己から求めるのは慣れていなくて。
けれど、それが本心だった。
不安に苛まれながらジョットの反応を待っていると、クス、とかすかな笑い声が落ちてきた。
「お前らしい言い方だな、そうか、愛したいか」
「か、からかわないでください……」
「からかってなどいない、あぁ、外したいなら外しても構わんのだぞ?」
「え、え……?」
驚いて見上げると同時に、悪寒が走った。
一見して、それは穏やかな笑みだったけれど、その瞳に宿っているのは有無を言わさぬ冷たさ。
ジョットは唾液に濡れた唇を親指でなぞり、無言のまま小首を傾げた。
「――っ」
それだけですべてを悟る。
直接触れたいのであれば、自分でこのゴムを取り、口に含めと。
淡いオレンジ色の瞳は語っているのだ。
そうしなければ、きっと、このオモチャからも解放してくれないのだろう。
意地が悪い。
腹が黒い。
性格が悪い。
デイモンは視線を落とし、長く躊躇った末に――
「こ、今回限り、ですからね……」
ゴムの縁とジョット自身に指先を滑り込ませ、ゆっくりと、隙間を広げていった。
なるべく爪をたてないように気をつけて、丁寧に、ゴムを引き上げてゆく。
着けるときは簡単に見えたのに。
ローションを舐め取ってしまったからだろうか。
仕方なく、指で広げた隙間に、唾液をまとわせた舌を差し込んでみる。
「――っ」
息を呑む音に慌てて顔を上げるが、ジョットは軽く首を振っただけで先を促した。
「……い、痛かったら、言ってくださいね?」
再び頭を落として、もう一度唾液を隙間に流し込んでいく。
そうすると、少しずつではあるが、ゴムを剥かせることができた。
一方でむき出しになった竿を唇で食んで。
先へ進むほどにゴムの甘みの中に、苦みが混ざりだす。
最後に、反り返した部分に引っかかったゴムを一気に引っ張ると、
「きゃあっ」
頬を掠めて、ジョットのモノが手の中から滑り逃げてしまった。
わずかに白く濁った体液が頬から顎へと伝い落ちる。
それを指で拭って唇に含むと、味わい慣れた、苦い味が感じられた。
やっぱりおいしくない。
けれど。
「んっ、んぅ……ふぅ……んっ」
デイモンは先ほどよりは積極的に、先端に咥内に含んだ。
子猫が母猫の乳を吸うように。
あるいは、ミルクを舐めるような音をさせて。
ジョットの感じる箇所に舌を這わせると、びくり、と震えが伝わってきて。
嬉しくて、もっと、求めて。
一方で竿を扱き、一方で陰嚢に指を這わせて、咥えられるだけ深く挿抜を繰り返して。
「はぁっ、ん、んくっ、んっ」
「……デイモン、そろそろ……っ」
視線だけ向けて、ジョットの表情が淡い朱に染まっているのを知る。
高揚と充足が満ちて。
追い上げるように吸い上げた瞬間――
「っ出、る……っ!」
「んぶっ!?」
咥内に熱い液体が放たれた。
「んぐっ、んっ、んんぅっ」
喉の奥に当てられ、吐きそうになるのをこらえ。
口を閉じたままジョットのモノを抜き取ると、受け止めきれなかった白濁が鼻や頬に降りかかった。
そちらは後回しにして、こぼさないように両手で口を押える。
「デイモン、無理に飲み込まなくても」
涙目で首を振り、少しずつ、口の中の精液を飲み下す。
「んっ、んく……ぅ、ぐっ、げほっ」
しかし、最後の一口で、とうとうむせて吐き出してしまった。
「だから無理するなと」
心配そうに背中を撫でられる。
唾液を溜めて何度か嚥下してみるが、ぬとぬとした感じが消えない。
失敗した。
ジョットがいつも簡単に飲み込んでみせるからと、己を過信したのが間違いだった。
「大丈夫か……?」
先ほどの冷たい様子は一切感じられない、本当に心配した声音。
色々と無茶を強要してくる割に、自分から動こうとするとこうして世話を焼いてきて。
悪い流れだと知りながらも。
自分にだけ向けられる感情が嬉しくて。嬉しくて。
「……らいじょうぶ、です」
デイモンはジョットの首に腕を巻きつけるようにして、唇を重ねた。
歯列を割って、舌を絡みつける。
苦く癖のある味に、ジョットは思わず眉根を寄せた。
「自分のものだと思うと、微妙なものがあるな……」
「んー、私のキスでも嫌ですか?」
「いや、これはこれで」
片手同士絡めて深く唇をむさぼり合いながら、ゆっくりシーツの上に押し倒される。
そうすると、中のオモチャが唐突に前立腺を掠めた。
「ひぁ、あっ」
驚いて浮かせた腰を体を重ねるようにして上から押さえつけて。
「さすがに腫れてきたかな」
「んあっ」
ジョットは豆粒を噛みちぎるようにして、片方のテープを一気に剥がし取った。
圧迫するモノがなくなった安心と、じんわりと残る疼きと。
胸の小さな実はいつもより赤く膨れ、吐息が触れるだけで甘い痺れを伝えてきた。
「なかなか、おいしそうな色に育ったな」
「やっ」
ちう、と小さな音をたてて。
「……ひんっ……ん、くぅ……っ」
舌先で潰されたかと思えば、甘く噛み、吸い上げられて。
オモチャよりもずっと思考をとろかせる刺激。
「ジョットぉ……んっ」
綺麗な金髪に指を絡めて、震える足でその腰を引き寄せて。
「おねがぃ……も、オモチャはいいです、から……っ」
「うん?」
「早く、ジョットの、を……く、くださ、ぃ……」
「俺の? 何を?」
「ひぅっ」
まさかの問いかけに、ぽろぽろと涙がこぼれ出す。
「な、何って……」
「どこにほしいのかも聞いてみたいな」
「ばっ」
目の前でにやにやと口許を歪めて。
そんなこと言えるわけないと知って。
馬鹿にしているのがわかって、ひどく腹立たしい。
言い返す言葉を必死に探して。
結局見つからないまま。
ぐ、と短く息を呑むと、デイモンは繋いでいない方の手をジョットのモノへと伸ばした。
「じ……ジョットの、こ、これを……っ」
緩く指を這わせて、その先端を広げた足の間の、微振動にじくじくと疼き続ける箇所へと導いて。
「こ……ここ、に……挿れて……?」
「―――っ」
「んやぁあっ!?」
すでに濡れそぼった蕾は、容易に先の部分を飲み込んだ。
「やっ、まだ、なかぁっ、とってぇ!」
「挿れてほしかったんだろう……?」
「そ、ですけどっ、だめっ、くるしっ」
ため息のように熱を吐き出して、ジョットはさらに腰を進めた。
「あっ、あっ、おく、って、くるぅ……っ」
震え続ける無機質な塊と。
それを押し上げる熱量と質量が。
常ならば届かない奥に触れた瞬間。
「ふぁっ、あぁあ!」
デイモンは大きく腰を跳ねさせた。
「くっ、デイモン、あまり、締めてくれるな……っ」
「らめっ、ぃくてっ、ぬいてっ、とってぇ!」
「気持ちいいのだろう? だったら――」
「ひきゃああぁっ!?」
ぶん、と虫の羽音が腹の底から響いてくる。
それと合わせて、挿抜の音が激しく聞こえ始めた。
「ジぉっ、おねひゃっ、とめてっ、こえっ、だめぇっ」
生理的に排泄しようと腹筋に力がこもって、なのにそれが逆にオモチャとジョットを締めつけて。
「だから、締めるなと……んっ」
「むりっ、も、んぁあっ」
「デ、イモンっ」
「ジぉっ、ジョットっ、んっ、んぅっ!」
苦しいのに口を塞がれて。
頭に熱が、快楽が、朦朧と溜まっていって。
オモチャの位置がわかるぐらい、ジョットの形が脳裏に浮かぶぐらい。
どちらもぎゅうぎゅうに咥え込んで。
「ふぁっ、んっ、やあっ、あぁっ!」
「はっ、すごいな、はぁっ、ちぎられそうだ……っ」
「もぉっ、おくっ、ぃっ、やぶけ、ひゃぅっ」
「どうせなら、最強まで上げて、みるか?」
止むことなく突きながら、ジョットはピンク色のコードを垂らすコントローラーを持ち上げて見せた。
うっすらと笑みを浮かべて目盛りに指を添える。
手前のOFFでなく、一番上のMAXへ向かって。
「や、うそ、らめ、やだっ、ジっ―――!?」
まるで耳元でスイッチを入れられたような。
「やああぁあっ、こわっ、こわれひゃっ、あぁああっ!」
もはや凶器と化した物体を、それでも容赦なく奥へと突き入れ。
繋いだ手を、爪が食い込むほど握りしめて。
「ジョット、ジョットっ、もぉっ、もぉらめぇええっ!」
「わかってる、んっ、一緒に、イこう、な?」
「ひんっ、んっ、んんっ」
粘り気のある唾液を交換して。
「ふぁっ、あっ、ィっ」
「―――っ」
「やぁああぁああっっ!」
背を反らせて。
白濁が散って。
明滅。
注ぎ込まれた熱が。
広がる痺れが。
震えて。
震えて。
震えて。
「ひぁあっ、とめっ、にゃああぁあっ!?」
腕と腰を引かれ。
向かい合って座る形で。
さらに深く突き上げられた。
「あぁああっ、ふかっ、あぁあっ、んゃああっ!」
「っこうすると、先に当たって、はっ、ものすごいな!」
導かれるままに首にしがみついて。
ジョットは足を持ち上げるようにして細い腰を掴むと、上下に激しく揺らし始めた。
「らめぇっ、うごかひっ、なぃれぇっ!」
「あと一回ぐらいイケるだろう?」
「むりぃいっ、ほんろにっ、こわえゆぅうっ!」
オモチャとジョットのモノが当たっているのか。
奥に壁があって、それが壊されようとしているのか。
何度もガツガツとぶつかり合う音が響く。
「ジョットぉっ、ジョットぉっ!」
涙と涎がだらしなく伝い落ちて。
反らせた喉を刺す痛みと、肌に触れる浅く乱れた呼吸。
もう全身が性感帯になったようで。
何が気持ちいいのかわからない。
気持ちいいのかもわからない。
ただ、声が。
「ふっ、んくっ、デイモン、デイモン……っ」
ジョットの声が。
胸を締めつけるほど、甘くて。
「やっ、あっ、あっ、あっ!」
総毛立つ何かが駆け抜けて。
「くっ――!」
「―――っっ!!」
すべてが、真っ白な世界に、溶けた。
背中に張り付くシーツの感触と。
吐きそうなほどうるさい心音。
「ふあっ……」
ジョット自身を引き抜かれる感覚に身を震わせる。
栓を失い、注ぎ込まれた精液が後口から一気に溢れ出した。
「んっ、んっくぅ……」
その流れにつられてか、ずっと体内を苛んでいたオモチャがゆっくりと姿を現して。
「ぅああ……あぁっ」
白濁の水溜りの中にピンク色のオモチャが落ちると、ジョットは感嘆の息を吐いた。
「これはまた、官能的な光景だな……」
「ふ……はぁ……ん……」
そんなジョットから顔をそむけるように、横を向いて痙攣する身を丸める。
やっとオモチャを吐き出せたというのに異物感だけが残って。
根元は依然、かゆみにも似た痺れを訴えて。
霞む視界の端には、すっかりシーツに染み込んでしまった、淡い跡。
「……ふっ、ぅく……」
あれほど泣き叫んでも涙は枯れないようで。
「ぅぇええ、ひっく、ふぇぇえ」
「で、デイモン?」
「ばか、ばか、ばかぁーっ!」
もはや動く気力も体力もなく、枕を引き寄せて顔を埋める。
強引なのはいつものことだけれど。
今回はひどすぎる。
本当に嫌だった。
嫌だったのに。
「デイモン……」
「もっ、しないっ、ぜったい、しませんっ!」
「しかし……」
あやすように髪を撫で、頬や額にキスを落として。
唇をついばんで。
いつものようにわずかに目を伏せると、ジョットは最後のトドメを告げた。
「まだたくさん……あるんだぞ?」
「ひぃっ――」
嗚咽か悲鳴か絶叫か。
漏れかけた声は金色の獅子に容易に喰われてしまった。
あとの話。
「まぁ、その、調子こいてすまなかった」
ベッドの上の丸い膨らみに向かって、ジョットは全裸で土下座した。
反応はない。
よって、正座したまま謝罪の言葉を続ける。
「何も一度にすべて使ってみる必要はなかったな、すまなかった」
膨らみの周りには、使用済みのオモチャの数々。
あとできちんと洗って箱に入れておかないと。
いや、今はそれよりも。
「……その、本当に、あれは、反省しているんだ」
膨らみが少しだけ反応した。
やはりあの件を一番根に持っているらしい。
尿道に棒を差し込んだことと、それによる失禁。
あの動揺した表情は本当に可愛らしかった。
思い出してにやけていると、隙間から青い瞳に射られた。
「いや、あれはもう、使わないと約束する」
「……本当に?」
「あぁ」
「……絶対ですか?」
「あぁ」
「言葉、繰り返してください」
「ん?」
「本当に、もう絶対に、同じことをしないと」
「あー……」
同じこと、と言ってしまうと意味が変わってきてしまう。
あくまで「あのオモチャを二度と使わない」と約束したいだけで。
できればまた見てみたいと思っているわけで。
「ジョット……?」
冷たい声音から逃げるように視線を泳がせた先で。
「プリーモ!! いるだろ!! 開けろ!!」
怒気のこもった声と共に、扉が激しく叩かれた。
「デーチモ?」
ソファーにかけていたローブを身にまとい、扉を開ける。
「どうした?」
「どうしたじゃねぇよ! なんで二箱も注文してんだよ!」
「おぉ?」
先ほどとまったく同じシチュエーションで、同じ箱を押し付けられた。
依頼主も宅配先も同じ。
違う点といえば、箱の中身ぐらいだろう。
ジョットは合点がいくと同時に、あぁ、と呟いた。
「道理で、注文より数が少ないと思った」
「二箱とか多すぎだろ!? つかそもそも注文すんな!!」
「あれやこれやと見る内にほしくなってな」
「だったら自分で買えよ! 支払いと配達先を俺にすんな! 骸にキレられたんだからな!?」
「なんだ、デーチモたちはそういったプレイを」
「聞くな! とにかく今度やったら全部捨てるからな!!」
盛大な音を響かせて扉が閉められる。
他に何を注文していたかなと思い出していると、冷たく痛い視線が背中に刺さった。
「……あー、その、あのな」
「ジョット」
「はい」
いつにもまして冷たい声に、つい背筋を正してしまう。
デイモンはベッドに横たわったままシーツからのぞかせた顔を麗しく微笑ませ――
「しばらく距離を置かせていただきます」
「ちょ、待っ――」
慌てて捕まえようとするより早く、霧のように姿を消してしまった。
シーツの膨らみも消えて。
静寂。
ジョットはしばらく後悔にうなだれていたものの。
「……まぁ、どうにかなるだろう」
きっぱりすっぱり思考を切り替えて。
新しく届いたオモチャの動作を確認するために、鼻歌交じりに箱を開けにかかった。
次はどれを使って啼かせようかとか、綿密な計画を練りつつ。
「それにしても、あれは可愛かったなぁ……」
再び思い出し笑いをこぼした。