○ 注意書き ○
この『 tremendously 』は、
白いスクール水着の着用を強要されたスペたんがプールの中でジョットといちゃいちゃしてる
だけの18禁小説です。
ということで、
・実年齢・精神年齢が18歳未満
・男性同士の性的表現が苦手ていうか嫌い
・現実と非現実の違いがわからない
以上に当てはまる方はこのウィンドウもしくはタブを閉じてください。
また、
・現代パラレル
・ジョットとデイモンは大学生か新社会人ぐらいの年齢設定
・すでにデキてる
・ジョットが変態
・ジョットが真正の変態
・スペたんが白スクール水着を着用
・タマタマー!ヽ(・∀・)ノ
という特殊設定が苦手な方も、読むのを遠慮していただければ幸いです。
18歳以上だし現代パロ好きだしスペたんに白スクとか大興奮します!
という方のみどうぞこのまま下へスクロールしてお進みください。
何度も訪れ、時間を過ごした部屋。
見回したところで今さら目新しいものなど見つかるはずもないのだけれど。
ジョットはついさっき、玄関のベルに呼ばれて出ていってしまった。
ひとりきりで、特にすることもない。
そのまま視線を腰掛けているベッドに落とし、ふと、枕元に目が留まった。
「んー……?」
淡いストライプ柄の枕カバー。
その下に、スケッチブックのような、何かが挟まっている。
「何でしょう……?」
引っ張り出してみると、それはスクラップ帳だと知れた。
すでに厚みも増しているようで、彼ながら真剣に世事へと目を向けているのだろう。
感心するとともに、彼がどのような記事に興味を持っているのかとスクラップ帳を広げ。
そして硬直した。
仮に。
そう、仮にスクラップ帳はニュース記事などを収集したファイルだという認識が偏見だったとして。
趣味に応じて色々な記事や写真を集めて楽しむ人もいるだろうと考えて。
考えたけれど。
それにしてもこれは。
だってこれは。
「すまん、ひとりにして」
「貴方という人はぁぁあ!!」
戻ってきたジョットに対し、デイモンは全力でそのスクラップ帳を投げつけた。
床に落ちて開いたページには―――見たことのある衣装の切り抜きと、「済」のスタンプ。
スクラップ帳の構成は以下の通り。
まず雑誌から切り抜いたらしい、マニアックな衣装の数々。
その衣装に対しての妄想なのか、いかがわしい単語の羅列。
中身の半分以上はそれだけだった。
そこまでなら、見逃すこともできただろう。
問題は「済」の赤いスタンプが押されていたページの部分。
そこに貼られた衣装は見たことがあるも何も、無理やり着せられたことのある服だった。
つまり。
ジョットはデイモンに着せたい衣装を切り抜き、集め、この中に収めていたのだ。
「何事もイメージだけでは難しいからな」
「黙りなさい」
床に直接正座するジョットを、ベッドに腰掛けるデイモンは冷めた目で睨みつけた。
ただ着せたいだけなら、それがメンズ物なら、ここまで怒りはしない。
むしろ少しは喜んだかもしれない。
プレゼントの期待に胸を躍らせ、スクラップ帳を元の位置に戻していただろう。
しかし。
本当に残念なことに。
この男が選んだものはすべて――
「なぜ、女性の服ばかりなのですか?」
前々から理解しがたい趣味があることは知っていたが。
「その方が似合うし可愛いだろう」
刺すような視線も飄々とかわし、ジョットはさらりと答えた。
ため息。
「男が可愛さを求めてどうします……」
「よりおいしくいただくために」
「意味がわかりません」
「まぁ確かに飾らずともデイモンはいつでも砂糖菓子のようにあま」
「黙りなさい」
やや怒気を含ませて睨むと、ジョットは拗ねたように口を尖らせた。
それを見下ろしたまま、もうひとつため息を吐き出す。
「男である私に女性の服を着せて喜ぶなど、理解に苦しみます」
「常とは違う姿を見るのがいいのさ」
「んー……」
「誰も見たことのない、俺しか見ることを許さないというのが、男心をくすぐるわけだ」
「……ただの裸では魅力がありませんか?」
「勃起する」
「言葉を選べ」
デイモンは苛立ちに痛む頭を押さえた。
これでは、まるで暖簾に腕押しだ。
女装もコスプレも嫌だと、何度言っても聞きやしない。
むしろ嫌がる自分に無理やり着せて喜んでいる節さえ見受けられる。
心底から理解できない。
「……では、逆に考えてみるといい」
「何を」
「例えば、俺がウェイターの恰好をしていたらどう思う」
「ウェイター? 喫茶店でも始めるつもりですか?」
「いや、だから想像してみろ、ウェイターの恰好をした俺を」
「んー……」
組んだ脚に頬杖をついて、ジョットを眺めたまま想像してみる。
前に立ち寄った喫茶店の制服は、デザインなどがなかなか自分好みであった。
それを、ジョットが着いてる姿を思い浮かべる。
たったそれだけのことだったのだけれど。
うっかり、頬が熱くなった。
その微細な変化を素早く見抜いたジョットは、嬉しそうに目を細めた。
「ウェイター姿の俺に愛を囁かれる気分はどうだ?」
「ど、どう、って、そ、そんな」
「デイモンは可愛いなぁ」
「うるさい!」
「まぁ、無事に趣向を共有できたということで、」
「共有!?」
ジョットは手に持ったままのスクラップ帳をぱらぱらとめくり、開いたページを提示して告げた。
「今日はこれにしようと思う」
示した指の先には、真っ白なスクール水着の写真。
それを見た瞬間に何かが切れる音がした。
「ふざ、ふざけるなぁぁあ!」
咄嗟に振り下ろした手は簡単に掴まれてしまった。
「明らかに女性の水着じゃないですか! それも子ども用の!」
「安心しろ、ちゃんと大人用を購入してある」
「どっちにしろ女性のっ…………」
何かが引っかかり、言葉が喉で消えていく。
頭の中で台詞の検証。
今、おそろしい単語が含まれなかったか。
「……こう、にゅう?」
「あぁ、タイミングよく届いた」
「とどいた……?」
そういえば、と思い出す。
スクラップ帳のことで忘れていたけれど。
玄関のベルに呼ばれて出て行ったジョットは、戻ってきたときに段ボール箱を持っていた。
それは今、ジョットの脇に置かれてあって。
おそるおそる見遣ると、伝票の詳細欄には「衣類」の二文字。
つまり。
「とりあえずサイズの確認でもするか」
「誰が着るかぁぁあ!」
「絶対に似合うぞ」
「その自信は一体どこから来るのですか!」
「お前のことなら隅々まで知っているからな」
「なっ」
服の上からでも見抜かれそうな眼光に、ぞっと身を震わせる。
「何なら竿の長さから乳首の大きさまで言えるぞ?」
「きゃあああぁ!?」
頬を張ろうとした手も捕まえられ、結局両手の自由を奪われてしまう。
「へんたい! へんたい! へんたい!!」
「ちょま、あまり騒ぐな、綱吉が来る」
「んぐっ」
両足をばたつかせても効果はなく。
絡む舌を拒むほどに呼吸も苦しくなっていって。
最終的には、デイモンが根負けして大人しくなった。
「ん、ふぁ……」
くらくらと、ジョットの肩に額が落ちる。
「どうしても、着せたい、んですか」
「着せたい。そしてヤりたい」
「この、万年、発情期」
「しかし、室内でスク水を着せても何か面白みに欠けるな」
「んー?」
怪訝に持ち上げられた頭を愛おしげに撫で、ジョットは自分のケータイを操作した。
呼び出しの電子音。
「誰に――」
シィ、と囁かれ、キスのせいで赤く熟れた唇を軽く摘ままれる。
長くコールした後、かなり嫌そうな返事が聞こえた。
「随分待たせるな? 今、手は空いてるか」
この声はランポウだろうか。
「前に自慢してたアレ……そう、よくわかってるな、それで……」
話し中も指先で唇を弄ばれ、抗議のつもりで軽く噛みついてやる。
「あぁ……ん? 聞けばタダで済ま……そうだ、そういうことだ」
また何かで彼を脅してもいるのか。
普段は他人をこき使ったりなどしない癖に、なぜかランポウに対しては高圧的になるというか。
よく集まるメンバーの中では、一番下っ端ということもあるだろうが。
「ではな、よろしく頼む」
通話を終了させて。
ジョットは満面に笑みを浮かべ、
「行くぞ」
そして行先もろくに告げずに強制連行を決行したのだった。
「結局着せられた……」
ビーチチェアの上で、デイモンはぐったりと横になっていた。
広い室内プールにはジョットとデイモン以外に誰もおらず、完全なる貸切状態であった。
どうやら先ほどの電話はこのことだったらしい。
ランポウの一族グループが経営する高級ホテルのプールを突然貸し切らせるなど、横暴にも程がある。
「泳がないのか?」
「……休ませてください」
責める目で睨み上げると、ジョットはやれやれと肩をすくめた。
「仕方ないな」
こめかみにキスをひとつだけ落として。
体が冷えないよう大きめのバスタオルで下半身を覆ってやってから、ジョットはプールサイドから水中に飛び込んだ。
少しだけ静かになって、遠くで水音と呼吸の音が浮き上がる。
昔から運動神経だけは抜群なのだから。
休憩もなしにレーンを往復する姿を眺めながら、その眩しさに目を細める。
こうして遠くで見ているだけなら、格好いいのに。
勿体ないと感じつつ、デイモンはバスタオルの中に隠れるように、身を丸くした。
じっとりと汗の残る内腿に手を伸ばすと、更衣室での行為が想起される。
更衣室まで連れ込まれた段階ですべてをあきらめ、どうせ着るなら自分で着ると言ったものの。
ワンピースとはまた違う形状に着方がまったくわからず、手伝ってもらおうとしたがために。
何のどこに興奮したのか。
突然、背後から襲い込まれた。
まだ中に出されなかった分だけマシだが、挿入された違和感が消えない。
それに男性用の水着と違って股間の圧迫感が慣れない。
もぞもぞと膝を擦り合わせていると、濡れた足音と共にジョットが戻ってきた。
「一緒に泳がないか? 楽しいぞ?」
何度も見た光景のはずなのに。
濡れた裸体は、適度な筋肉で引き締まっていて。
「デイモン?」
目元に落ちてきた水滴に、はっと我に返る。
「い、いいえ、結構です……」
けれど目が離せず、デイモンは無意識にジョットを見つめた。
伝い落ちていく、水の一筋が――
ふ、と短い苦笑。
「本当に可愛いな」
濡れた唇で額にキスを落として。
「ば、ばかですか」
デイモンが照れた表情を見せた、その瞬間。
ジョットはバスタオルを引き剥がすと同時にデイモンを抱え上げ、二、三歩の助走をつけて、
「き、ひぁ、きゃああああっ!?」
プールへと投げ込んだ。
大きな水音。
その余韻が消えるより早く飛び込み、身を強張らせたまま沈むデイモンを水面へと抱き上げる。
「ひ、ぐっ、げほっ、このっ、ばか!」
「水中だとさらに軽いな」
ジョットは笑って、デイモンの膝を抱えるようにして自分の腕に座らせた。
普段は体格差から難しいが、水中なら浮力も味方になってくれる。
蒼い髪から滴り落ちる雫を受け、ジョットは満足そうに口許を歪めた。
「こうして濡れる姿もまた艶っぽくて、感じ入るものがあるな」
「……物好き」
「こう思うのもお前に対してだけだ、デイモン」
ふわりと青白い頬に朱が差さる。
「泳げるか?」
「……あまり得意ではないですけど」
「なら手を引いてやる」
ゆっくりと身を離しながら手を繋ぎ、ジョットは向かい合ったまま水を蹴った。
引かれるままに泳ぎだすと。
波立つ水面がキラキラと反射して。
金髪がきらめいて、揺らめいて。
キレイだという言葉は、冷たい水の中に溶かして消した。
腰を担ぎ上げられ、そのままプールサイドに座らされる。
ジョットは水から上がらず、デイモンの膝を割って身を挟んできた。
「こら」
言葉では怒りつつも、声音は柔らかい。
軽く頭を押さえつけるのも気にせず、真白い太腿にキスをしたり、軽く唇で食んだりして遊ぶ。
「んー、くすぐったいです」
濡れた金髪を後ろに流すように手櫛で梳いていると、ジョットは見上げた状態で恍惚と息をこぼした。
「まさに絶景だな」
「え?」
意味がわからず首を傾げる。
ジョットは指先でデイモンの胸元を示し、それから腹部へと滑らせて――
「き、ひぁあっ!?」
理解すると同時にデイモンは腕で胸と股間を隠した。
まさか今まで気が付かなかったなんて。
水に濡れることで、胸の先と、茂みの色が透けるだなんて。
色が白いとはいえ水着だからと油断していた。
胸元まで真っ赤に染めたデイモンに、ジョットはこらえきれないといった笑い声をこぼした。
「こんな、聞いてません!」
「教えなかったからな」
「ジョット!?」
「可愛いぞ」
必死に隠そうとする腕を掴み、水着越しに茂みへと口付ける。
「やめっ、やめなさ、ひっ」
膨らみに歯を立てられ、声がひっくり返ってしまう。
その間にもジョットは太腿を担ぐようにして両腕を腰に回し、がっちり抱きしめてきた。
「ジョット、そこぁっ、だめ……っ」
頭を掴んで押し離そうとするも、噛まれる度に力が抜けていく。
逃げることも、できない。
「お願い、離してくださっ、ぁっ」
後ろから水着の中に滑り込んできた指が後口に触れ、ビクリと体が跳ねる。
しかし、それだけですぐに離れてしまった。
「……これだと両方弄れないな」
困った声音と視線。
デイモンは涙の浮かぶ目を左右に揺らせると、小さな小さな声で問うた。
「誰も……来ません、よね……?」
橙色の瞳が悦に光る。
「当然だ、こんな可愛い姿を他人に見られてたまるか」
その言葉に安堵の息をこぼし、デイモンはゆっくりとプールサイドに背を乗せた。
「いい子だ」
腰を引かれ、臀部が少しだけ水に触れる。
促されるままに片脚だけ膝を折り、ジョットの肩にかかとを引っかける。
向こうからはどのように見えているのか。
気になったけれどあえて考えずに、デイモンは目を閉じた。
水着の端を引いて、後口に吐息が触れる。
「んっ……」
「っと、ローション、更衣室に忘れてきたな」
「あ、はぁ……っ」
熱い舌先が侵入する感覚。
それはしばらく中を動き回ってから。
「……いや、一回シた分、余裕そうだな」
「んっ、ゃあっ!」
すぐに舌と代わって指が差し込まれた。
「ぁっ……んぅ、ぁ……っ」
緩やかに挿抜しながら、二本の指がそれぞれ敏感な箇所を引っ掻く。
一方でジョットは水着越しに睾丸の周りを甘く食んだ。
「やぁ、んっ……へんなっ、かんじ……ぁっ」
普段はあまりされない愛撫に、それも布越しでどこかくすぐったくて、膝が小刻みに震えてしまう。
「ジぉっ、それ……だめです、ぅっ……あっ」
きつく吸われた拍子に、かかとが滑って水が大きく跳ねた。
「堪え性がないな」
「だ、だって」
「あまり可愛いと、俺が焦ってしまうだろう」
「ジョット……」
引き込まれるままに、ゆっくりと、再び水中へ滑り落ちる。
冷たい首に腕を絡めて向かい合せに抱きしめ、深く呼吸を重ねて。
「脚、そのまま腰に、そう……」
正常位で受け入れるときのように両脚をジョットの腰に絡めると、後口に昂ぶりが触れてきた。
「挿れるぞ……」
「ん……んくぅっ」
冷たい浮遊感の中で圧迫してくる感触が、いつも以上に快感と直結するようで。
深く繋がっているのだと実感する。
「ふぁあ……」
「苦しくないか?」
「い、いつもよりは……ずっと……んっ」
背を丸くする体勢は苦しいものだけれど、浮力がある分だけ無理がないというか。
ジョットが両腕でしっかり支えてくれていることもあって。
安心感と充足感のほうが、ずっと、心中に満ちていて。
「んぁっ……は、ぁっ、あっ……ゃっ」
少しだけ身を起こすと橙色の瞳がすぐそばで微笑んできた。
嬉しげに伏せられた、金色のまつ毛には真珠のような雫。
とてもキレイ。
「ジぉ、んっ……んふぁ、むぅっ……」
名を紡ぐより先に舌を喰われ、言葉もすべて奪われる。
呼吸を捨てて、唾液を交えて。
「んっ、んぅっ……も、らひっ……ひぁっ」
「なんだ? 随分、はやい、な?」
「はぁ、あっ……らって……んくっ」
突き上げられる度に水が肌を撫でる感触が。
重ねた場所にだけ残る熱が。
水に、熱に、浮かされるせいで。
「も、もぉっ……ぃっ、いっひぁっ、あっ」
「っデイモン、きつ、締めると、俺もっ」
「んんっ―――」
きつくしがみつくと同時に、水着の中に熱いモノが溢れ出た。
一拍置いて、体内にも熱が吐き出される。
粘着質な温度差。
「ぅぁ……きもちわるぃ……」
けれどどうすればいいかわからず、デイモンはただジョットに縋りついて震えを落ち着かせた。
「水着の中が、惨事のようだな」
「うぅ……さいあくです……」
ジョットは笑いながら蒼髪を唇で軽く挟んで横へ流し、こめかみや頬に口付けた。
それから絡む腕を優しくほどき、プールサイドへと掴まるよう促しつつ、
「ひんっ、んんぁ、やぁっ」
挿入したまま背面立位へと体勢を変えた。
「せ、せめて、いちど、ぬぃっ」
「一瞬でも離したくなくて、なっ」
「んやぁっ」
腰を抱き寄せられ、さっきより深く、おそらく根元まで埋め込んだ状態で。
ジョットはあえて律動せずに平坦な胸へと手を這わせた。
「え、えっ?」
「やはりこちらも、愛撫してやらねばな」
「ぃたっ、あっ、やぁっ」
水着越しにきつくつねり上げられ、痛いはずなのに口からこぼれるのは嬌声ばかり。
揉むほどの大きさもないのに酔狂な。
いや、本当に酔狂なのは、痛みすら気持ちよく感じてしまう自分なのか。
「あっ……んっ、ゃあ……ぃっ」
うなじに舌が這うのを感じて、背筋が震える。
汗を滲ませる吐息が。
徐々に背筋を伝って、肩甲骨の辺りで鋭く刺さる。
「さすがに苦しそうだな」
片手が腹部を撫でて股間に至り、何か、思わぬ箇所から冷たい水が入り込んできた。
「ひ、えっ!?」
驚きに水中へ目を凝らすと。
――ありえない。
水着の途中が裂けて、そこから自身が取り出されていた。
「な、どうして、そんな、そんなとこが開くんですかっ!?」
「どうしてだろうな、俺も深くは知らん」
「意味が、わからなっ、あっ、だめ、そっちはぁっ」
共に引き出されていた睾丸を緩く握られ、文句の半分が泡になってしまう。
慌てて水面へ顔を出し、身を捩って背後を睨みつける。
「そ、そんなとこ、触っても、きもちよくなんかっ」
「声が上擦ってるぞ?」
「これは、い、いれたままで、だからっ」
「そうか、動かしてほしかったのか、すまんな」
「ちがっ」
誘うようにちらつく赤い舌に噛みつき、ジョットは一気に挿抜を開始した。
「あっ、やぇっ、んぁあっ」
足のつく深さのはずなのに、爪先は不安定に水底を引っ掻いて。
内壁を抉られるほどに冷たい水に侵される錯覚。
「ジぉっ、ぁっ、はげしぃっ、らめぇっ」
騒がしいはずの水音すら、どこか遠い。
なのに、聞こえないはずの卑猥な音が記憶から鼓膜を震わせる。
何が正しいのか。
何がリアルなのか。
「ふぁあっ、ん、ジぉ、ジョット! そこぁっ!?」
いつの間にか伸びていた手が、再び睾丸を緩く揉みしだき始めた。
「案外、触り心地がいいものだな」
「ちょ、やぁっ、へ、へんらぃっ」
「この谷間みたいになってる、付け根とか」
「ひゃあぁっ!?」
「……好きだろう?」
「ひっ、ひぅっ、ぁっ、ゃらあっ」
直接射精を促すような刺激と。
絶えず与えられる挿抜の快感と。
とうとう行方を失った爪先の浮遊感のせいで。
「ぃっ、やぁっ、ぃくっ、んぁああっ!」
デイモンは水中へと白濁を放ってしまった。
「ひぁっ、やっ、ジぉっ!?」
「水を汚して、いけない子だ」
「まっ、いまぁっ、らぇっ、ひっ」
すでに絶頂を味わっている身に、さらにラストスパートをかけられる。
「むぃっ、ぃっ、んゃあっ」
「ちゃんと、俺の分も、受け止めろっ」
そして最奥に熱が放たれるのと同時に、
「―――っ!」
声にならない悲鳴が喉を貫いた。
水面を揺らすのは痙攣する身か、治まらない鼓動か。
プールサイドに捕まることもままならず、デイモンは引かれるままにジョットに身を預けた。
「んっ……んぅ……っ」
引き抜かれる感覚に、さらに力が抜けていく。
ぼんやりと見下ろした水中では、白い濁りがじわりと溶けて消えていった。
「首に、捕まれるか?」
「んー……」
両腕を背中側に落とすようにして抱きつき、肩に顎を乗せてしまう。
水着からこぼれた部分を丁寧に整えられ、いつものように横向きに抱き寄せられる。
水の冷たさが心地いいような、触れ合っているところが温かいような。
どこか眠りに落ちる前の安らぎ。
ジョットは端の梯子からプールサイドに上がった。
極力揺らさないように抱え直し、濡れたままの額や頬にキスを落とす。
「こら、まだ休ませるつもりはないぞ」
「ふぇ……も、むりです……」
「安心しろ、ちゃんと部屋もとってある」
「え……?」
笑みを引きつらせて言外に問いかけると。
金色のまつ毛をわずかに伏せて、ジョットは頬を緩めた。
「最上階のスイートだ。キングサイズのベッドに、夜景の見えるバスルームもある」
「それって……つまり……」
「さすが察しがいいな」
悪寒と共に目が醒める。
しかし、がっちりと抱きしめられているせいで脱走など計れず。
「今夜は離さないからな☆」
とろけさせるような最上級の黒い笑みと、絶望的なまでに最高で最低の宣告を前にして。
デイモンは強烈な眩暈にすべてをあきらめた。