拍手お礼文ログ4(よいこのABC編)





[ 拍手お礼文ログ4(よいこのABC編) ]










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『 After B 』(山本×獄寺)



「次、問5」
「28」
「正解。問6」
「……5x」
「正解。問7」
「あー……65?」

 丸めた教科書が小気味良い音を響かせる。

「なんで、ンなとこで間違えんだよ」
「なんでこれ全部xとyに統一しねぇのかなぁ」
「知るか。つかaとbに変わっただけで間違えんな」
「違う数式かなーって思うじゃん」
「同じだっつの。オラ、早くやり直せ」

 ぱたぱたと紙の上の消しカスを手で払う。

「abっていえば、この前女子が騒いでたよな」
「いつの話だよ」
「昼休み。どこまでしたことあるかって」
「した? 何を」
「キス」
「――っ」

 机の端に置いていたタンブラーが床に転がっていく。
 幸い蓋を閉めていたおかげで中のコーヒーがこぼれることはなかった。

「でもさ、bでべろチューならcは何なんだろうな?」
「知るか!」
「気になんね? あ、75」
「なんえぇよ。次、問8」
「べろチューの次だぜ? 15x」
「だから何だよ。問9」
「エッチしかなくね? 36b」
「――っ」

 拾い上げたタンブラーを思い切り振り下ろすと、鈍い音が響いた。

「テメェいっぺん死んで馬鹿治してこい!」
「ちょ、星飛んだ今マジで」
「ンな馬鹿なこと考えてっからだ!」
「だからって暴力はないのなー」
「ウルサイ! 果てろ! 問題解け!」
「えー」

 消しゴムでこすり、手で払い、もう一度解き直す。

「……あ、16b」
「最後、問10」
「108」
「……よし」
「やっと終わったぁー」
「まぁ、こんだけできりゃ赤点はないだろ」
「さんきゅーなー」
「礼は赤点まぬがれてから言え」
「あ、じゃあ、いい点取れたらごほうびのキ」
「果 て ろ!」



× × ×
ウチの山本はべろチュー言い過ぎ。



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『 Before C 』(骸×綱吉)



「マフィアのボスが赤点とは嘆かわしい……」
「うっさいほっとけ!」
「追試は英語と数学だけですか?」
「あと理科と社会も……」
「つまり国語以外すべて、と」
「一個でも赤点まぬがれたのは、むしろ俺にとっちゃ奇跡なんだよ!」
「はぁ。さっさと勉強して、せめて補習はまぬがれてくださいね」

 解いては直し。解いては直し。

「本当に残念な頭ですね……」
「あきらめんの早すぎだろっ」
「この程度の知識もないとは……」
「そんな目で見るなぁっ」
「分数でつまずくなんて小学生ですか」
「後ろにxとかyとかついてるからっ」
「はいはい。もう一度説明してあげますから感謝しなさい」
「ムカつくっ」

 解いて、解いて、たまに嫌み。

「そういえばクラスの女子が話してたんだけど」
「そこは光合成で生成される」
「あ、酸素か。何だっけ、あぁ、お前ABCの意味知ってる?」
「アルファベットじゃないんですか?」
「いや、そうじゃなくて。ここは?」
「二酸化炭素で合ってますよ」
「なんか、したことあるとかないとか。きゃーきゃー言っててさ」
「ABC……もしかしてアレの話ですか?」
「アレって?」
「キスですよ」
「――っ」

 低いテーブルの下で片膝を強打。

「あ、そこ間違えてます」
「おま、え、女子って、教室でそんな話できんのっ?」
「それは知りませんが、まぁキスをABCに例えるのはよくある話ですよ」
「へ、へぇー……」
「まったく知らないって顔ですね」
「うっ、だって、今までそんな話っ」
「クフフ、ついでに教えてあげましょうか」
「その笑いが怖いっ」

 休憩も兼ねて、ノートをテーブルの端に寄せ、お菓子の皿を引き寄せる。

「まず、Aはフレンチキス。触れるだけのキスです」
「う、うん」
「Bはディープキス。知ってます?」
「ディープインパクトなら……」
「それは馬です。deepは深い、つまり――」
「んぅっ!?」
「……こういうキスです」
「ぅ、はぁっ、何すんだよ!?」
「クハっ」

 ひとしきり笑って。気が済むまで殴って。
 お茶を飲んだら勉強を再開。

「……でもさ、じゃあ、Cってどうなんの?」
「気になります?」
「き、気になるっていうかぁ……」
「Cはコミュニケーション。次は英語にしましょうか」
「う、うん。コミュニケーションって、えっと」
「交流や意思疎通。転じてCはセッ」
「うわぁぁあっ!?」
「どうしたんですか?」
「ちょ、それ、き、キスじゃないし!」
「好きになったら、当然行き着く行為でしょう」
「そ、そうかも、だけど……!」
「では、英語でやってみましょうか」
「な、何を」

 色違いに微笑む。

「コミュニケーション」
「ノぉーーーっ!!」



× × ×
ひどすぎるwww
中二で何勉強してたとかもう覚えてない。



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『 Contact D 』(正一×白蘭)



「正チャン?」
「……」
「正チャン!」
「……」
「正チャーン!」
「へ? うわっ」
「僕を無視するなんて生意気だねっ☆」
「ちょ、ヘッドホン返してくださ」
「いつもどんな曲聴いてるの?」
「え、いつもは、そうですね……」
「日本語だ。日本のアーティスト?」
「あ、それはイタリアの歌手で」
「日本語なのにっ?」
「スパナからCDを借り」
「ふぅん」

 イスを回してこっちを向かせ、膝の上にどっかり座る。

「ちょ、白蘭さん!?」
「CDなんてアナログだねっ」
「いや、それより降りてくだ」
「他にも借りたの? これも?」
「え、えぇ」
「ふぅーん」
「ど、どうし」
「音楽なんてダウンロードすればいいじゃん」
「勝手にいじらな」
「この曲とかオススメだよっ☆」
「は、はぁ」

 画面に次々と見知らぬタイトルが並んでゆく。

「CDっていえば、昔に流行ったよね」
「まぁ一番利便性の高い記録媒」
「違うよ! キスの話!」
「アレはABじゃ」
「ABのあとだよ。正チャン知ってる?」
「まぁ、一応……」
「じゃあCは何でしょうっ?」
「……セッ」
「正解! じゃあDはっ?」
「D? Dなんてありまし」
「正チャン遅れてるぅ! Dはデキちゃった☆のDだよっ!」
「初耳ですが!?」
「Cまでイッちゃったら当然じゃん! だからさ、」

 向かい合わせに座り直し、にっこり微笑う。

「僕も欲しいなっ☆」
「何をですか!?」
「決まってるじゃん、正チャンとの子ども!」
「生物学的に無理ですよ!」
「僕は不可能を可能にする男だよっ☆」
「また懐かしいネタを……っていうか男だからムリで」
「正チャンの意気地なし! ヘタレ!」
「僕が悪いんですか!?」
「早く僕に手ェ出しなよ!」
「ええぇ!?」
「あ、そっか」

 ぽむ、と手を打つ。

「つまり正チャンはヘタレ攻で、この場合は僕が襲い受になれば万事解決だねっ☆」
「そんな知識どこで仕入れた!?」
「世の中僕が攻で通ってるけど、やっぱり正チャンと子供作るならこっちじゃないと」
「何の話ですか、ちょ、白蘭さんベルト返してくだ」
「大丈夫だよ僕に不可能なんてないんだからっ☆」
「いやだから理論的にも」
「正チャン、だぁい好きっ☆」



× × ×
☆って偉大。キラッ☆



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『 Sing a Song 』(ディーノ×雲雀)



「大なく〜小なく〜」
「なーなー恭弥」
「何」
「この鳥って他にも何か歌えないのか?」
「知らないよ。鳥に聞けば?」
「並がぁいい〜」
「お前ってやつは……」
「何」
「もっと愛嬌のある答えはないのかよ」
「ひっばーっどっ」
「愛嬌? 何それあったら何か得するの?」

 深く深くため息。

「お前は素直でいいよなぁ。他に何か歌えるのか?」
「う、たっ」
「ワオ、本当に話しかけてる」
「英語の曲でも覚えんのかな」
「かなっ」
「変なの覚えさせないでよ」
「ABCの歌って知ってるか?」
「えーびっしぃー」
「おぉ、頭いいなぁ」
「鳥頭だよ」
「よし、今から歌うから覚えるんだぞ?」
「ひっばーっどっ」

 なんだかんだと一時間過ぎ。

「そういや恭弥はキスのABCって知ってるか?」
「えーびっしぃー」
「馬鹿にしてるの?」
「ちょ、トンファー出すなよ! 怖ぇよ!!」
「それぐらい知ってるよ。何? 要求?」
「どうしてそうなるんだよ! いや、恭弥がしてくれるのは嬉しいけど」
「えーびっしぃー」
「ウザい」
「えぇ!?」
「ちょっと付き合いなよ。今日こそ咬み殺してあげる」
「ちょ、待っ、恭弥!」

 金属音を連続して響かせること一時間。

「……飽きた」
「そ、そりゃあ、よ、よかった……」
「えーびっしぃーでっ」
「おぉ! いつの間にか歌えるように!」
「いっえっぢぃー」
「なかなかネイティブだな……」
「えっあいじぇっけっ」
「恭弥! これすごくないか!?」
「えれむねっ」
「英語に聞こえないんだけど」
「おっぴきゅあーえっ」
「いやいやすげぇいい発音だぜ」
「てゆびったびゅーっ」
「未知の言語に聞こえるんだけど」
「えんっえっくわっじーっ」
「おぉ! お前すごいな! カンペキだ!」
「それが? え? 本気?」
「なんだよ恭弥、ヤキモチか?」
「ワオ、面白い冗談だね」

 軽い金属音と共にトンファーのギミックが展開する。

「ちょっと死んでみてよ」
「待て恭弥まずはそのトンファーを」
「かみっこっろすっ」
「馬鹿って死ぬと治るらしいよ」
「落ち着け話し合おう恭弥」
「かみっこっろすっ」
「痛いのは一瞬だよ」
「恭弥っ」

 優雅にも冷酷な微笑み。

「うるさい」
「ひっ」
「ばーどっ!」



× × ×
このあとどうなったかは想像にお任せいたします。
グッドラック!



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『 Grow Up ! 』(フゥ太×ランボ)



 テーブルに広がるアルファベットの形をしたビスケット。

「あーる、えー、えぬ」
「B、O」
「ら・ん・ぼ・さん!」
「そうだね」
「じゃあつぎフゥ太のなまえ!」
「作れるの?」
「ヨユーだもんね!」
「楽しみだな」
「えっと、はひふへほだからぁ……えっち!」
「合ってはいるけど」

 苦笑いを隠しつつ、Fのビスケットと入れ替える。

「ふ、だけはこっち」
「なんで!」
「そこまでは知らないけど」
「じゃあえっちでもいいじゃん」
「えー、なんかHはやだなぁ」
「なんで?」
「だってHでしょ?」
「えっちはだめなのか?」
「だめっていうか、ランボわかってないし」
「なんだよそれ!」
「ごめんごめん。ほら、次は?」
「……ゆー」
「うん」
「あと、ゆー、てぃー、えー」
「U一個多いよ」
「なんで!」
「同じのが並んじゃいけないんだって」
「でも、ふ・う・た、だもん!」
「英語だとフータになるんだよ」
「じゃあ……」

 Iのビスケットを横にして間に挟もうとしたのを、ひょいと摘み上げて食べてしまう。

「ああ!」
「これいらない」
「ばかフゥ太のばか!」
「はいランボも」

 端によけていたHを大きく開けた口に放り込む。

「あぐっ」
「おいしいね」
「……うん」
「アルファベットだと、HのあとにIがあるんだよね」
「どーゆういみだ?」
「ランボはまだ知らなくていいよ」
「なんで!」
「大人になったらわかるから」
「フゥ太だってこども!」
「ランボよりは大人」
「ズルい!!」
「あっ」

 テーブルを叩いた拍子に、きれいに並んでいたビスケットがバラバラになってしまう。

「あーっ」
「消えちゃったね」
「ランボさんのなまえ……」
「また作ればいいよ、ほら」

 ひとつひとつ、並べて繋いで、新しい意味になる。

「次は誰の名前作ろっか?」
「えっと、えっとね、ツナ!」



× × ×
さりげに黒フゥ太エロネタ。



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